2年のお待たせ・ライブレポート~サンダーキャットat恵比寿ガーデンホール

新型コロナ禍は収束しそうでダラダラと継続しているが、日本においてはここのところ行動制限等はかなり緩和されてきている。野球場もお客さんでいっぱいだし、飲み屋の営業制限もない。「ウィズコロナ」という状態にはなってきたようである。

そんなわけで、ずっと見送りになっていた海外アーチストの来日公演もぼちぼち復活してきた。

サンダーキャットの来日公演もそう。

当初、2020年4月に予定されていたものが、1回、2回と延期され(中止ではなかった。同じ時期に予定されていたボブ・ディランはさすがに中止、またやはり予定されていたbig thiefも延期の末中止となった。)、本日に再延期の期日が予定されており、ついにその日となった。

恵比寿のこの場所は、ガーデンプレイスの一角にあるのだが、はじめて来た。恵比寿駅からは渋谷駅の中のように、「動く歩道(古い表現。万国博か。)」があり、サクサクとガーデンプレイス入り口まで到達できる。ホールまでは5分強10分弱と言ったところか。

振替日について、手続をした上での回答メールが来ていたのだが、受け取りをスマホでなくPCでしてしまっており、そのメールを転送するのを忘れてしまっていたので、本日直前並んでいる際に若干ヒヤヒヤした。しかし、一応別受付で氏名から振り替え手続済みであることの確認が取れ、入場。年齢層は20~30代が多数を占めていたが、ときどき同年代かもう少し上の人が混じっていた。正直同世代にも十分受け入れられるサウンドだと思う。知名度がいまいちないのだろうか。並んでグッズを買うのは断念して会場内へ。オールスタンディングだがほとんど前から3番目くらいの絶好の位置。

17時半開場と早かったのは、新型コロナ対策で2部制とし、総入れ替えで2回やることとなったため。なので比較的コンパクトな内容となることが予想された。しかし、18:15開演予定が、最近では珍しく20分くらい遅れた。最近はダイノソーjrとかマイブラでもぴったりに始まったりして、それはそれで若干物足りないなあ、などと思っていたので、この点はむしろ期待を抱かせるような流れであった。

そして、18:40ころ開演。

正直、夢のような公演であった。

6弦ベースで登場したサンダーキャットに、ドラマーとキーボードのスリーピース編成。全体で10曲もやったかどうか。20時5分ころの終了まで(アンコールなし)、怒濤のように駆け抜けた。

この人たちは、基本ジャズなのだと思うが、サンダーキャット自身がかつてスラッシュメタルバンドにいたこともあるそうで、ロック的な素地も有していることは明らか。ジャズロックやプログレのフレーバーもあり、コンサートの途中でトリビュートしていたチック・コリアあたりにも相当影響を受けているものと思われる。

とにかく、サンダーキャットの信じられないような早弾きの連発に、ドラマーがバトルのごとく応じ、さらにキーボードもたたみかける。インプロビゼーションの連続。知らない曲も何曲もあったような気がした(最新作の聞き込み不足故)が、そんなことは関係ない、とにかくプレイのすさまじさに驚くばかりで、このようなバトルが繰り広げられるのを目の当たりに出来ている自分がなんて幸せなのだろう、今日のこのサウンドをそのまままるごと持ち帰りたい、ライブ盤が出てもとても再現は出来ないのではないか、録音ぐらいしてしまえばよかった(いけないんだけど)、等々の思いがこみ上げてきて、涙が出そうな瞬間もあった。正直、あのcreamですら吹っ飛んでしまうようなトリオのバトル、(あまりジャズは知らないのだけれど、)早弾きはジャコ(あるいはスタンリークラーク?やはり名前が出ていた。)あたりに当然通じるものだろうが、あのような3者でのそれこそcreamのようなバトルがジャズトリオにおいてもかつてあったのか、私はよく知らない(教えてもらいたい・・むしろプログレか、という感じ)。

洋楽のライブにしては珍しく、本人のMCが結構多く、いろんな話をしてくれていたのだが、いかんせん英語力がないので(なにかと4文字関連の言葉が出てきていたが・・強調表現か?)、きちんと聞き取れず残念であった。ただ、「ケンドリックラマー」「フライングロータス」等の名前が随所に出てきて(この2年間にセッションをやったりしたと言うことか?フライングロータスは仲間だと言っていた)、また、この2年間に亡くなってしまったミュージシャン(前記チック・コリアをはじめ)への思いをいろいろ語っていたように思う。そして、結構日本愛が強い人だと思われるのだが、そのような話や歌詞も随所で語られ、歌われていた。

諸事情よりアンコールなしはやむなしとはいえ正直残念ではあった。フル規格での再来日を求めたいし、この人については当分の間追って行きたいと思う。ジャンルを軽々と超えた、本当にすばらしいミュージシャンである。きちんと評価をされているのかなどとつい思ってしまう。ロックファンにも強くお勧めである。


さて、今年はサマソニを買おうかどうしようか。今少し参加メンバーが弱いんだけど・・。


ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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