ああ。
またも寂しい話だ。
リアルタイムで味わったミュージシャンが亡くなってゆく。
それもまだそこそこ若いのに。
70年代後期~80年代初頭の英国音楽シーンは、パンク勃興の後、ニューウェーブ、パワーポップ、さらにその後のニューアコースティック等、ほんとうにさまざまな動きがあった。
60年代後期ほどの規模ではなかったけれども、海の向こうから来る情報には、
本当にわくわくさせられた。正直、今の若い人たちがそれもこれも似たようなサウンドや「踊り」を施されて喜んでいるのを見るにつけ、当時は本当にいい時代だったと思う。60年代をリアルに体験できなかったことへの思いはあるものの、70~80年代のこのような動きをリアルに体験できたことは本当に得がたいものであった。
もう来日から3年が経ったか、スペシャルズ。
前座で出た東京スカパラダイスオーケストラが、「自分たちがいるのもスペシャルスのおかげ」と語った、スカミュージックシーンにおけるまさに草分け的存在。
スペシャルズ、マッドネス、セレクター、イングリッシュ・ビートといったスカバンドが、当時の英国音楽シーンを席巻していた。やはりその中でもトップにいたのがスペシャルズで、そのボーカルだったテリー・ホール。
来日時にもここに書いたように思うけれども、テリー・ホールは、なんとなく当時の印象でも、ちょっと弱ったかな、という風情ではあった。しかし、こんなに早くいなくなってしまうとは。
後にスペシャルAKAを結成し、「フリー・ネルソン・マンデラ」などといった曲で、かなり政治色、メッセージ性の強い活動を続けていたジェリー・ダマーズとは、その後も一緒にやることはなかったが、「fun boy three」「colour field」でもヒット曲を連発し、そのポップセンスを発揮していた。「バナナラマ」と共演して、その後(結果的に?)スターダムに押し上げたこともあった。
レゲエをベースにしたスカサウンドは個人的には中学時代以来ずっと好きで、日本にも80年代に「mute beat」なんていうグループとかがシーンを形作っていたが、そういったもののもっとも最初の頃からの功労者だったと思う。
今でもたまにスペシャルズのベスト盤をかけたりしているが、2,3年前に久々に出たスペシャルズの「新譜」は、全英ナンバー1になっていたらしい。
本当に寂しい話だ。少しは新しいもので寂しくない話が出てこないものか。
0コメント