民主主義とは

今年は国内でも国外でも、「民主主義」の弊害が如実に表れる場面が多かったように思う。

米大統領選をはじめとする、世界各国でのポピュリストや右翼勢力の跋扈。

権威主義者の国家も、表面的には民主主義の衣をまとう。「人民王朝」も、「直接民主制」という「民主主義」で形作られている。

権威主義者は選挙で当選するのである(プロセスの問題性はここでは置く。)。当選すればあらゆる手段で(まずは暴力装置を十分に確保しながら)世論を操作し、また圧迫し、そして考えられないような侵略戦争をやめようとしない。国連常任理事国であろうが。

一応民主的とされてきた国家が、極右と連立を組み、自分たちは抑圧された歴史がある、「反・・的」な言動は容認できない、などと何かと言いくるめながら、受けた10の攻撃に対し1000の反撃を加え続け、反対勢力と言うよりも、そこに生きる住民の全てを「殲滅」せんとばかりに攻撃を繰り返す。


選挙における正統的な取り組みに対し、SNSを活用した大々的なアピール、その内容は虚実ない交ぜ、質的にも玉石混淆であっても、またいわゆる「陰謀論」的なものであっても、声が大きければ、話題性があれば、発信力が強ければ、発信のノウハウがあれば、それで勝ってしまう。


内部通報者など保護されず、強引な手法がまかり通る。「既得権益の打破」などという、つかみどころのないようなスローガンが大手を振って幅をきかせる。

「既得権益」。なんなのだそれは?中身をわかってすがっているのか?

もちろんそういうものも存在するだろう。その中には本当に克服せねばならないこともあるだろう。

しかし、単に動画サイト等でひたすらクソみたいなこと(要するに,「フェイク」)を連呼し続け、そこに何らかのルサンチマンを目して多数が集う、群がる、そして喝采する。

それもまさに民主主義。

大衆の民主主義。

喝采の政治の先に何があるのかは、歴史が物語っているはずだが、そんなことを深刻に考えている人など、きっと少数なのだろう。


でも、民主主義を捨てることはできない。

「民主主義というのは最悪の政治制度だ。他のあらゆる政治制度を除けばね。」というようなことを言った英国の宰相。その言葉は、常にかみしめられるべきものである。


喝采するのは、すばらしいミュージシャンのライブの時だけ、

また、日本ハムファイターズが優勝するときだけ、

そのようなときだけで十分である。


ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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