新型コロナ蔓延の理由?

15年以上前、2003年頃だったか、SARSというのがはやったことがあった。

この時は、2月くらいにベトナムの病院で新型肺炎を発見したイタリア人医師が、WHOへ通告し、かつ周囲の環境を整備、またWHOも、3月には発生地域への渡航禁止をいち早く勧告し、同年夏頃には収束に至ったのだという。発見した医師は自ら感染して3月には亡くなったのだという。

感染者数は、29カ国で10000人弱。死者は1000人いかなかったらしい(正確な数字なのかは未確認)。


今回の新型コロナも、中国で医師が昨年12月頃に症例を報告していたようである。SARSの時と大きく異なるのは、この報告に対し中華人民王朝政府(の地方組織?)が、報告を受け入れるどころか、「デマ情報を流した」として同医師を処分したと言うこと(この医師もその後自ら感染して亡くなっていることは周知の事実。)。

その後、WHOがパンデミックを宣言したのは3月11日。この15年間での世界における中国(及び世界各地で活動する大量の中国人)の位置づけの大きな変化にも鑑みれば、この3ヶ月近くの期間が感染爆発への決定的な背景事情となったことは否めないであろう(それにしても、台湾はよく頑張っている。)。


その意味では、与太者が責任転嫁のために中華人民王朝を批判する、その具体的内容はともかくとして、この権威主義的国家体制・隠蔽体質が世界に害悪を及ぼしていることも、大筋では否定しようがないのだろう(最近になり、武漢での新型コロナでの志望者数を1000名以上上方修正した。これを情報公開の積極化として前向きにとらえるべきなのか・・前記権威主義的隠蔽体質の中において。)。


隠蔽は日本の現政権の専売特許のような感じもしてくる今日この頃だが、与太者とか人民王朝を見ていると、まだ日本はましなのではないかと思えてしまうという、このコンプライアンス意識の圧倒的な低下ぶりには、怒り、諦めを通り越して、いささかニヒリスティックな感覚すら抱いてしまう。


なお、中央アジアにトルクメニスタンという国があり、ここは新型コロナウイルスの感染者が未だに0と言うことになっている。この国では、ニヤゾフ(交代してなければ)という終身大統領が独裁体制を長く敷いているが、新型コロナの話題を出すだけで捕まり、処罰されるんだそうだ(そのかわり、隔離政策等はいろいろやっているんだそう。やっぱりはやってるんだろう。)。


考えてみれば、日本国内で国の指示にかかわらず県別にいろいろ厳しい策を講じたり等しているのも、見方を変えれば一種のナショナリスティックな対応ともいえる。日本国全体として考えれば、一律の対応となって然るべきところ。これを「世界国家」という観点に立てば、さらに世界一律、と言うことにもなるのだろう(もちろん、そんな簡単にいかないことはわかっているが。)。

もっとも、例えば、「岩手県には来ないでくれ」というのは、岩手県での感染拡大を抑える、という意味合いのほかに、日本全体としてみても、全国に蔓延することを防止するということの一助にはなるのだろうから、あまり目くじらを立てるべきではないのだろうが(なお、その意味で、大阪と兵庫がおたがいに行き来しないように、ということを共同で発表したというのは、これはこれで自県中心というのと違う、一つのやり方なのかも知れない。)。国があたふたしているからまさに地方が主体的に意思表明をしてやっていく、これは少なくとも悪い意味でのナショナリスティック、すなわち「自分のところさえよければ」的な対応ではない。


新型コロナ後の世界の体制に築かれる大きな後遺症は、どのようなものとなるのか。

ますます独裁的・権威主義的体制が優位となるのか、また一国中心主義が台頭することとなるのか。

そして、それを自分はなんとか越えてゆき、行く末を見届けることがはたして出来るのか。


数ヶ月前の新聞を見返して、そこで論じられている様々な論の前提が、みなことごとく崩れてしまったような感がある。

今も、見えない敵、わかっていない敵を前に、皆が仮定的に(また時に希望的に)、いろいろなことを論ずるしかないのだろう。

本当に、正解が何かがわからないという部分がある。

自分のような無能者は、とにかくただ目前にあるやるべきことをコツコツとやっていくしかない。


・・いけないいけない。今日は仕事しに来たのだった・・。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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