ビートルズのB面曲(その1)

私が与太者と呼んでいた男は、おそらく世界史に名をとどめる人間になると思われる。

まだ、これが終わりではなく、始まりなのかも知れないので、どんな形で名をとどめることになるのかはわからない。

出来ることなら、ナチス等と同じ類いの、人類の負の経験の1つとして歴史に刻まれてほしいと願うところであるが。


さて、そんな話とは関係なく、表題であるが、

ビートルズは言うまでもなく、シングルB面曲にも名曲が目白押しである。

彼らの場合は、A、B両面ヒットというシングル盤が多く、中には両A面でともに1位、なんてのもあるくらい。


詳細にデータを当たるわけではないし、私は例によってビートルズは中期以降が得意(?)なので、偏りがあるとは思うが、以下のような感じ。


・she's  a  woman

これは、「アイ・フィール・ファイン」の裏だったんじゃないかと思うが(違うかも知れない)、65年頃に出て、B面なのに全米で4位くらいまで上がったと思う。正直格好いいロックンロール。ポールのロックミュージシャンとしてのいい面が満開といった曲。バックビートではいるイントロのギターの刻みが初中期のロック作品の中では秀逸な部類。ジェフ・ベックもお気に入りだったのか、カバーしてます。ライブ・アット・ハリウッド・ボウルにも入ってたかも(ビートルズは1976年頃に、初めてのライブアルバム2枚・・ハリウッド・ボウルのものと、ハンブルグ時代のものが初めて出ました。当時私は小6)。


・day tripper

「恋を抱きしめよう」という邦題だった「we can work it out」の裏だったと思う。しかし曲としてはA面よりも有名かも。これもイントロから続くリフレインがとても印象的なポールのナンバー。ジミヘンがお気に入りで何度もカバーしている。日本公演でもやった?


・think we said today

これはヘルプ!の頃のシングルのB面だよね。ヘルプの裏だったかどうかはわからない(諸中期の曲ではヘルプは個人的にgood)。ちょっと黄昏れたような雰囲気の曲だが、日本では「今日の誓い」という邦題がついていたと思う。


・rain

ビートルズ中期の最高のB面曲ともいうべきこの曲。ジョン作。A面は「ペイパーバック・ライター」。1966年春リリース。オリジナルアルバムには入ってない。ビートルズがサイケデリック時代に入る入り口の頃のこの曲は、ミディアムテンポをきちっとキープするリンゴの味わい深いドラムの上に、ギターとベースがいい感じで入っている(ポールのベースラインは秀逸)。ジョンのちょっと皮肉っぽい歌詞と歌唱もとてもよい。最後にはテープ逆回転も入り、まさにその後のサージェント・ペッパー以降の快進撃の序章である。昔から個人的にとても好きな曲で、自分の中では5本指に入る。おそらく同じように思っている人は少なくないはず。XTCの変名グループ「the dukes of stratusfear(だったか)」というバンドの「what in the world」という曲は絶対ここからインスパイアされている。その他トッド・ラングレンとか、ブラーとか、いろんなミュージシャンのサウンドが連なる。

なお、リンゴのドラムといえば、B面ではないけれども、「tomorrow never knows」という、(おそらく好きすぎたミスター・チルドレンが別な曲にタイトルをつけてしまった)ジョン作の曲におけるドラミングは本当に秀逸。サイケデリックなこの曲のある意味の異常性(「revolver」というこの曲の入ったアルバムの価値をぐんと上げた1つの要素)を、ミニマル的なこのドラミングがきっちりと演出している。


・penny lane/strawberry fields forever

これはどっちがB面だ?たぶん、後者だろう。

一応記録上は、前者が全米2位、後者が8位という話だったと思うが、どっちをA面にしてもいいくらいの、ビートルズ史上最強のシングル盤の1つというべきもの。前者はポール、後者はジョン。あまたのマニアの皆さんを前に、曲について私がああだこうだいうのはおこがましいくらい。どっちも個人的には本当に好きな曲。1967年初頭にシングルカットされた、まさにビートルズの真の黄金時代の幕開けを飾る一枚。このグループの3年くらい前に出していた曲と比較してもらえれば、その変化・深化は一目瞭然であるし(好みの問題はあろうが)、まさに驚異的である。

なお、これと同じころに出てきていたのは、クリーム「i feel free」 ジミヘン「hey joe」 プロコルハルム「青い影」 ムーディーブルーズ「night in white satin」・・本当にすごい時代だ。


なんだか遅くなってしまったので、ここでいったん閉める。











ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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