もう御年76才。ロック界の名ボーカリストの1人。
古くは、ジェフ・ベック・グループ(第1期)のボーカルとして、また、「ロッド・スチュアート&フェイセズ」のボーカルとして、さらにソロアーチストとして、数々のヒット曲を生み続けている。
ジェフベックグループの頃の歌は、ファーストのブルースロック色ゴリゴリのサウンド、またセカンドのロックンロール(「監獄ロック」「オール・シュック・アップ」等々プレスリーやチャックベリー等)色の強いサウンドのいずれにおいても、その独特のハスキーボイスでベックのギタープレイの向こうを張った。その後スティーブ・マリオットが抜けたスモール・フェイセズに、ベックグループからロン・ウッドとともに入り、自身の名前を冠してフェイセズの一時代を築く(マリオットも独特のソウルフルなボーカルで有名だった)。こういった活動と並行して、70年頃からソロアルバムを何枚もリリース。75年の「atlantic crossing」で本格的に米国にも進出。その後は大ヒットアルバムを連発した。
ヒット曲としても、71年「maggie may」、75年「sailing」、76年「tonight's the night(今夜決めよう)」、77年「you're in my heart」等々のビッグヒットを残し、79年には当時流行のディスコ路線に乗った「(do ya think)I'm sexy?」も大ヒット。日本でもこのころ来日公演をするなどして、独特なブロンドの鳥の巣頭もあいまって、スーパースターとして知名度が大きく上がったと思う。個人的にも、ここで挙げている曲は(セイリングはちょっと苦手だが)皆好みであり、ディスコ路線とは言え大正解の「I'm sexy?」も今聞いてもこれはかっこいい(中2の終わり頃に生徒増で中学が2つに分かれると言うことで、お別れ会のようなものを学校でやったのだが、校庭でこの曲を流しながらフォークダンスをやっていたのが昨日のことのようでなんとも。それにしてもその頃は少子化なんて想像もつかなかったのだろう。)。
ロッドは、60年代末~70年代に出した楽曲、またアルバムに、(全部は聞けていないが)秀逸なものが多く、ソロの初期の作品集(収録アルバム不明なのだが)、また「the rod stewart album(これは下記の記事に出てくる、「the old raincoat・・」というタイトルのやつかな)「every picture tells a story」「gasoline alley」等々、ルーツである黒人音楽と出身国イギリスの香りをマッチさせた味わい深い曲ばかりである。80年代以降の活動は若干精彩を欠いたものの、それでもジェフベックと再度共演する等して気を吐いた。それが21世紀になってしばらくした頃から、「the great american songbook」というアメリカの古いポップミュージックのスタンダードナンバーばかり歌ったアルバムを何枚か出し、いずれも大ヒットを記録した。なんだか年を取って路線変更したのか、という印象もあったのかもしれないが、実は、ジェフ・ベック・グループに入る前のロッドは、「steampacket」とか「shotgun express」という、ジャズ色、また黒人音楽色の強いポピュラーソングばかりを歌っており(ロング・ジョン・ボルドリーとか、ジュリー・ドリスコールなどと組んで。後者は後にブライアン・オーガーと組んで名作(ホント名作)「streetnoise」等を発表する。)、要するに「ロック・ボーカリスト」と言うのみならず、「ポピュラーシンガー」としての下地が十分にある人なのである。なので個人的には、またそこに戻ってきたのか,と言う感も強かった。
ロッドは残念ながらライブをまだ見たことがない。コロナ禍が収まったらぜひ来日してほしい。そして、小さめのホールでじっくり歌を聴きたい。上記の大ヒット曲も、また「reason to believe」「mandoline wind」等々の名作も、じっくりと。
以上を書き終わった後日、以下のページを見つけた。上記内容と通底すること、わかってくれるかな?
https://www.udiscovermusic.jp/stories/rod-stewart-mods-great-american-songbook-crooner
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