19時開演ということで、浦和を18時前くらいに出た。赤羽で乗り換えるつもりで上野東京ライン。
ところが気づいたら,「次は上野」のコール。
本を読んでいたら、赤羽で乗り換えることをすっかりすっ飛ばしてしまった。
上野でもう18:20を過ぎている。スマホでルート検索するが、なぜかスムーズに出てこない。ようやく見つけたルートで,銀座線→銀座で日比谷線か、銀座線で渋谷→恵比寿かのいずれかの選択(後で、日比谷線は上野を通っていることに気づいた)。とりあえず前者で行く。渋谷乗り換えよりも恵比寿に直の方が早いかなと(当然)思った。
しかし、恵比寿の構内の構造を念のため確認したところ、日比谷線は恵比寿駅の北側を通っている。ガーデンプレイスは南側が近い。もうしょうがない(これなら渋谷乗り換えが正解であった・・)。ライブ観戦歴始まって以来の開演大幅遅刻が確定した・・。
19:15近くに会場に着く。しかし、中からは音が聞こえているのに、なぜかフロアに人がたくさんいて、しかも談笑している・・。かまわず入ってみたら・・前座だった。前座がいたのだ。日本人(ソロ)だと思う。打ち込み系の、ひたすらその不協和音を流し続けるという「音楽」。正直、自分には何も響いてこないジャンル。10年ほど前になるか、レディオヘッドのさいたまスーパーアリーナ公演の前座に通じる感じであった。その「演奏」が、19:40近くまで続いた。乗っている観客も一部にはいたが、大半はただ立ち尽くしていた感じ。実験的なところは、それこそかつてのロジャー・ウォータースのソロとか、あるいは70年代のneuなんていうバンドも彷彿させないではないが、正直面白いものではなかった。
前座が終わり、20分ほど空いて、結局20時ころから本割のbig thiefがスタート。一昨年の前半に来日公演が予定されていたのだが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、2度にわたり公演が延期、ようやく今回の公演(初来日)となった。
このバンドはアルバムを5枚くらい出しているようだが、1枚しか聞いたことがなかった。アメリカのバンド。アルバムからの印象としてはフォーク的なメロディラインと曲調に、若干幻想的なもやがかかったようなサウンドというところであった。フロントメンバーはエイドリアン・レンカーという女性のボーカル&ギタリストなのだけれども、この人がCDで聞くよりも思いのほか力強く、ギターのプレイも時に攻撃的で、本当に演奏の中核にいる感じであった。曲調としては正統派アメリカンロック(REMあたりも思い浮かべられる)で、カントリー的なフレイバーもときおりありながら、かなり変則のリズムを刻んでみたり、また爆音系の(やはりグランジを通ってきたという感じの)音を聞かせる等であった。オーディエンスは大半が20~30代で、立ち見でほぼ満杯。コロナ感染の蓋然性が大変高い中、自分は明らかにこの500人以上はいる中の高齢者グループ上位30名に入っているのだろうなどと思っていた。自分の知っている曲は1,2曲くらいしかなかった。本割り後にアンコールが2曲。終わってみたら21:45と結構それなりのVolumeであった。
終演後、回りの若者たちからは口々に,「いいライブだった」「思ったよりずっと良かった」などという声が上がっていた。まだヒットチャート的にはトップテンに入るようなヒットはないよう。しかし、確実に最近の(メインストリームとは言えなくなっている)ロックシーンを担う存在になってきているのだろうと思った。もうちょっとくぐもった感とか、サイケデリック感があるともっといいなと思ったところはあるが、良質なアメリカンロックの系譜を引き継いでいるバンドだったと思う。
若い層にもロックのエッセンスは死なずに引き継がれていくものと信じたい。
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