YMO(高橋幸宏)

年明けに、ガン闘病中の坂本龍一のラジオ番組があるというので聞いた。

想像していた以上に弱々しい声であったが、次作のピアノ曲(新作もあり、また「東風(トンプー)」も。)をかけながら、ゆっくりと言葉を紡ぎ出す感じであった。かつて、自分が学生だった頃に、火曜日の夜「サウンド・ストリート」という番組をやっていたが、そのころのことを思い出しながら、「また、来年会いましょう」という最後の言葉までをかみしめていた(その後、NHK総合テレビで昨年末に行った演奏が流された。上記の曲のほか、「sheltering sky」「merry christmas mr.lawrence」(戦メリ。綴り怪しい)等も。)。

果たして、来年の開けに、また教授の番組を聴くことが出来るだろうかと思っていたら、幸宏氏の訃報に接した。


YMOは、自分が中学生のころにデビューし、その後高校、大学と経る時代に、まさに一世を風靡していた。はっぴいえんどやサディスティック・ミカ・バンド等、メンバーの前歴もあり(当時は知らず)、当初から話題にはなっていたのだが、国内のみならず国際的にも成功し、クラフトワークと並びテクノポップの先鋭ということで、歴史に刻まれた。当時聞いていたイギリスのチャートにもランクインしてきていたし、「behind the mask」は、マイケルジャクソンが権利を買い取り、何とクラプトンがシングルヒットさせた。幸宏氏がボーカルをとった「君に胸キュン」という曲も大ヒットしたが、なんというか、デヴィッド・ボウイでいうところの「レッツ・ダンス」のような感じ(こんなヒット曲簡単に書けちゃうんだよーん」という感じ)で受け止めていた。

最盛期に熱心なファンであったとまでは行かないが(リアルタイムで買ったアルバムはない。ただ、「増殖」のスネークマンショーのネタはよく聞いていた。)、当然頻繁に流れており、また友人で好きな奴もいたので、知っている曲は多い。また、個人的にはテクノはどちらかというと好きなジャンル。クラフトワークよりもよりポップな印象もあった。

幸宏氏は自ら、レノン・マッカートニーを仲介したリンゴ・スターが好きだ、などといったことがあるようだが、3人のメンバーの中では、何というか一番普通の人、という感じがした。ミュージシャンとして、多くの人たちとコラボしていたし(いちいち思い出せないが,例えば鈴木慶一、高野寛とか)、音楽関係者に限らない親交があったよう。亡くなった際のコメントも、音楽関係だけでなく、三宅裕司らSETの人たち、また竹中直人等、かなり幅が広かったようである。

脳腫瘍の手術をしたという情報は耳にしていたが、それにしても、70才は若い。

神はなんと非情なのか。

故人の冥福を祈ると共に、教授が快癒してさらに新作をものにしてもらうことを祈る。


ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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