デヴィッド・クロスビー

まだジョージハリスンが生きていた頃、ビートルズの未発表版、というか発表前のテイクを集めたアルバムが出たことがあった。「free as a bird」というジョンレノンの未完成テイクがシングルカットされて、ビデオクリップも発表されて話題になっていたと思う。

その際に、すでに知っていた曲の完成前のバージョンがいろいろ発表されたが(今でこそガンガン発売されていて珍しくもなくなったが)、その中で、「and your bird can sing」の、12弦ギターのバージョンというのに大変感銘を受けた。そのサウンドは、まさに「the byrds」が演奏しているようなバージョンであった。B4も当時すでに、byrdsの影響を受けていたのだ。byrdsの登場の前提にはもちろんB4の存在があったわけだけれども。英米のバンドがお互いに影響を及ぼし合い,しのぎを削っていた時代であった。

byrdsは、65年頃にアメリカ西海岸から登場し、ボブ・ディランの「mr.tumblin man」、また「all i really want to do」「turn!turn!turn!]といった、「フォークロック」と言われるサウンドで一世を風靡した。

そのバンドの中心として、ロジャー・マッギンと双璧であったのが、デヴィッド・クロスビー。byrdsは、3枚目のアルバムで、「eight miles high」という、サイケデリックミュージックシーンのまさに先陣を切った曲を発表し、ロックシーンを先導した(この曲は自分にとって大切な一曲)。デヴィッドは、その後byrdsを去り、1969年に、元buffalo springfieldのスティーブン・スティルス、及び元holliesのグラハム・ナッシュとともに、「クロスビー・スティルス・&ナッシュ」を結成して、あのウッドストックフェスティバルでお披露目(だったのかよくわからない)した。

今を去ること40数年前、中二の頃に「うえちゃん」や「たにちゃん」と見に行った「ウッドストック」の記録映画(ツェッペリンの「狂熱のライブ」と二本立てというのが、当時のスタンダート)、そのイントロでかかったcsn(&y?)の「long time gone」は、もうこのジャンルに私が今までハマり続けることとなったきっかけをもたらしてくれた名曲であった。同映画のラストでかかった「woodstock」(ジョニ・ミッチェル作)と合わせて、私のロック・ポップス愛好史の根幹をなすような大事な曲となった。未だにこれらの曲を聴くと胸が熱くなる。

csn(&y)は、その後yが抜けてAOR化し、私がリアルタイムで聞くようになった1977年頃には、「just a song before i go」というようなしみじみしたポップソングをやるようになっていた(ニール・ヤングは独自の道で独自の路線を立ち上げていった。個人的にはこちらの方が好みであったが。)。

クロスビーは、結構若い頃の行動がたたったのか、90年代ころにはすでに体がボロボロという報道がされており、なんかもう死んでしまうのか、という感じがしていた。しかし、その後体調も回復したのか、今から何年前だったか、csnで来日し、東京国際フォーラムでライブをやってくれた。その状況は以前ここで書いたとおり。とにかく当時のクロスビーが思いのほか元気で、とても声が出ていたのが印象的であった。


csn&yはついに1人が欠けてしまったことになった。

寂しいが、仕方ない。今年はこのような書き込みをたびたびすることになる。

来年以降も。


ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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