らいぶれぽーと~ボブ・ディランat東京ガーデンシアター

考えられないようなサヨナラ負け。弱いチームというのはこういうものなのだとつくづく感じさせられる。まだ開幕から20試合程度。40試合までは我慢したいと思っているが、こんな負け方を見せつけられると、もうなんだか落ち込んでしまう。「あんたたちはあてにはしない。自分で自分のことを頑張るしかないよ。」などと思ったりしてしまう。


さて、それはともかく、先週火曜日だからもう10日が経過した。

2年前にもチケットを購入したが、コロナ禍で中止。2年が経過し、その間ノーベル文学賞受賞という驚きの事件も挟んで、あえてまた日本にやってきたディラン。

以前にも書いたが、私はディランはほんとうに食わず嫌いというか、あまりよく知らない。もちろん主立った曲は知っているけれども、アルバム収録曲をそらで言えるようなアルバムは1つもないし、その長いキャリアの中で、この曲、といって指摘できるものはおそらく2~30曲もないように思う。17分とかの長尺で話題になった曲をフィーチャーした新譜も何度かは聞いたものの聞き込むには至らず、公演を迎えることになった。もちろん、あのディランが「風に吹かれて」など絶対にやるはずがない。「ライク・ア・ローリング・ストーン」も、「雨の日の女」も、「時代は変わる」も、決してやるはずがない。そんなことはわかっていた(「風に吹かれて」なんてやってほしくもない。)。しかしそれでも、「見張り塔からずっと」とか、「ハリケーン」とか、フェアポートコンベンションがカバーした曲なんか、ちょっとぐらいやってくれたら良いな、などと一抹の期待も抱いていたのも事実。

会場に着いてから30分くらいは時間に余裕があるように時間設定して、駅を降り会場へ。予定通り余裕・・しかし何か様子がおかしい。人気がないのである。まさか、会場が違う?・・・会場が東京(恵比寿)ガーデンプレイスであると思い込んでいた私。「東京ガーデンシアター」というのは別の会場であった。さて、それはどこにあるのか・・「国際展示場駅」そばだと・・・恵比寿駅へ走る・・新木場行きに乗る・・一本でいけるが奇跡は起こるか・・・残念ながら1曲目には間に合わなかった・・。

似たような会場がいろいろ出来ているということだが、完全に自分が悪いのである。さすがに今回は1曲目の歌い出しには立ち会いたかったが・・。


予想したとおり、かつてのヒット曲など全くやらない(79年頃に「slow train coming」というアルバムからスマッシュヒットした「gotta serve somebody」という、キリスト教的精神をバックボーンにした曲の大幅なアレンジ違いが演じられたが、後の曲はほんとわからなかった。)。おそらく新譜からの曲を中心にセットがなされたと思う。1時間半程度で、アンコールもなしであっさりと通り過ぎていった。


しかし、驚いたのは、ディランの若々しい声。もっと枯れていると思っていた。おそらく30年くらい前とあまり変わらない感じ(ずっと座っていたようであったが・・会場にはオペラグラスすら持ち込みは禁止。スマホも特別の袋が貸し出されてそこに封印して入れて持ち込む・・当然出すことは出来ない・・という扱い。)。曲もおそらく原曲からはいろいろアレンジがなされての演奏であったことは容易に想像が出来た。つまり、まさに「現役」をアピールしたライブであった。

だから、「like a rolling stone」も、「subterranian homesick blues」も、「all along the watchtower」も、「i shall be released」も、「knockin' on the heaven's floor」も、

やるわけはないんだ。

やらなくても当然、一定のクオリティが確保されたライブになっているんだ。

ただ、ノスタルジーを求めてきた人には、残念だった、と言うことになったのだろう。

しかし、まさに予想されたディランのコンサートではあったと思う。その意味では、ディランは期待を裏切らなかった。

願わくば、その姿をきちんと認めた上で、ライブを鑑賞したかったのではあるが、それはかなわなかった。ただ、確かにこの稀代のレジェンドが同じ空間で演じ、うたっていたという事実、それだけでも素晴らしい体験であったと思う。

客層は、当然年配の人も多かったけれども、結構若い人、また子ども連れとかもいたのが印象的であった。ロッキング・オンの次号でこの「ハードルの高い」コンサートのライブレポートが載るようなので、読んでみたいと思う。




ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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