マーキークラブ

少し前に、ロンドンのマーキークラブというライブハウスの創立六五周年記念イベントというのに行ってみた。

もちろん、ロンドンではなく、東京の三越前のあたりへ。

マーキークラブは、もともとはジャズ・ミュージシャンが出演する場だったようなのだが、1960年代前半頃から、アレクシス・コーナーとかシリル・デイヴィス(ハーピスト。三六歳くらいで早世)などといった、ブルースにもインスパイアされたミュージシャンが、若手ミュージシャンをどんどん登用して、ライブ活動を精力的に行っていたようである。

若手ミュージシャンとは、例えばミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカー、エリック・クラプトン、グラハム・ボンド、ディック・ヘクストール・スミス等々といった面々、いうまでもなく後にストーンズとかクリームの形成にむかうメンバーが多く含まれる。

そのうち、モッズの時代になるとザ・フーとかスモール・フェイセズ等、サイケの時代になるとピンク・フロイド(シド・バレット・エラの最初期)、ムーディー・ブルース、ジミ・ヘンドリックス(ヘイ・ジョーの例の歯で弾く演奏映像)、さらにレッド・ツェッペリン、ディヴィッド・ボウイ、イエス、クイーン(出てたんだねえ)、パンクニューウェーブの時代には、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ジャム(若きポール・ウェラーが憧れのピート・タウンジェントと並んでポーズをとっている写真もあった)、さらにポリス、ジョイ・ディヴィジョン、キュア、その他諸々のほんとうに多彩なメンバー(ビートルズの絡みはないんだけども)が行き交っていたようである。


私も、30年あまり前にロンドンに一人で出向いた際、マーキークラブの前まで行ったことがある。1993年の1月2,3日頃だったが、その日の出演はグレン・マトロック(ピストルズの、シド・ヴィシャスの前のメンバーであり、後のメンバー)のバンドだった。しかし、英語もろくに出来ない(今も)私はものおじして、結局中に入ることはしなかったのである。まあ、グレン・マトロックだったのでさほど後悔は強くはなかったが、これがXTCだったら(当時はライブやってないか)、あるいはストラングラーズだったら、あるいはまだ出始めだったレイディオ・ヘッドだったら(出たのか?)、えらく後悔したであろう。


この65年イベントは、比較的広めの部屋に数十人が入り、周りの壁にかつてのライブのチラシや、演奏の映像が映し出され、インタビューや演奏が流れるというようなものであった。まあ、ちょっと時間が短かったという感もあったが(あと、せっかくならガイドブックかなんかきっちり出来たものを販売して欲しかった)、流れてくる曲一つ一つが(当然全て知っている曲)改めて心に突き刺さるようなものばかりで(唯一、なんでポリスで「見つめていたい」なんだよ、という不服はあったが。)、久々に鬱屈したものが洗い流されたというところであった。良い音楽はいつになってもよい。


関係ないが(あるかも)、ジョン・メイオールはもう九〇歳を越えていると思うのだが、まだ現役なのだろうか?

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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