犬塚弘氏が亡くなったそうである。94才。
クレイジーの最後の存命メンバーであった。
クレイジーキャッツの最盛期というのは、自分もまだ赤ん坊の頃だったのでよく知らない。
しかし、その後植木等、ハナ肇始め、谷啓、櫻井センリ、安田伸等多彩多能なメンバー皆が、「ソロ活動」(多くは役者か)で各所で活躍されており、そのことはもちろん認識していた。それより、大学生の頃に知人からもらったクレイジーのカセット(ベスト盤が録音されていた)にとにかく圧倒されたことを思い出す。その時点でもう20年以上も前の(最初の東京五輪よりも前から)ものなのに、そのぶっ飛び方がすさまじい。植木等の歌には,ある種の突き抜け感があったと思うし、やはり青島幸男の歌詞にも破壊力があった。「金のねえやつはおれんとこへ来い。俺もないけど心配すんな」「ごまをすりまーしょ、みんなで、ゴマをね(・あスレスレ)」「はい、ソレまでよ」等々、今聞いても古くない(一部歌詞には当時の夫婦関係等も前提にしてのサラリーマンの悲哀を歌ったものもあるが。「女房にしたのが大間違い 炊事洗濯まるでダメ 食うことばかりは3人前」てな感じ。)。映画も少しだけど見たことがあるが、これまた突き抜け感がすごい。高度成長期のある種皆が将来への展望が持てていた時代だからこそのものだったのかも知れないが、歴史上永遠に銘記されるべきグループだったと思う。
犬塚さんとか、生きているだけでもうれしい感じがあった。最近までお元気だったのだと思う。残念だが、時代は巡る。いい方に巡ってほしいものだけれど。
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