病気ではないかとの情報を耳にしながら、その番組である「ワールド・ロック・ナウ」は、毎週録音だけしていたものの、聞かずにため込んでいた。しかし、たまたまそのため込んでいたのを聞いてみたら、渋谷氏ではなく伊藤正則氏がやっているではないか。
そして、ちょっとネットを検索したら、もう11月頃から入院して番組には出ておらず、しかも、前記「ワールド・ロック・ナウ」は3月末で終了、ロッキング・オンの経営陣からも外れたのだという。
これは、本当にびっくり。
もう、古くは小6のころ、「ヤング・ジョッキー」という番組の時から、完璧にではないがこの人の番組を聴き続け、相当音楽的な指向(嗜好)も影響を受けてきた。talking headsの「remain in light」に関する意見には賛同できなかったが、言っていることは分かったし、こよなく愛したツェッペリンに対する評論、中村とうよう氏との論争、今野雄二氏への批判、その他多くのミュージシャンの紹介やコメント(時に荒っぽいと感じられることもあったが)は、常に気にしていた。ごく最近も、つねにコンテンポラリーミュージックへの興味関心を失わない姿勢は、とてもまねの出来ないことだと思っていたし、社会的な発言(雑誌の創刊等も含め)についてもシンパシーが感じられるところが大きかった。
大学4,5年のころに、当時かなり売れっ子であった鴻上尚史氏との対談というイベントが大学であったが、会場一杯の学生からの質問の大半が渋谷氏に向けてなされ、最後の方で、「渋谷さん、おねがいです、いつも新潟でラジオを聞いていました。ここで「こんばんは、渋谷陽一です。」と言って下さい!」との要望まで出てしまい(会場は大いに沸いて、鴻上氏も促した。)、いやあ、シンパはこんなにいたのか、と改めて感じたものであった(ちなみにこのとき渋谷氏は、ギャラなしのイベントでは言わないことにしている、と、会社経営者らしい対応をしていたのも印象に残っている。)。
時代の推移といえばそれまでだけれども、それにしてもまだ若い(72,3歳くらいだろう)。このままいなくなってしまうというのはあまりにも寂しすぎる。ただでさえロックがもうおしまいのような雰囲気になってきている中、あんまりだ。我々の楽しみはこうもたやすく消されていってしまうのか。
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