どの年においても、夏の時期には、都度都度で次のような思いを抱くことがある。
7月20日過ぎ
そろそろ梅雨明けの時期。首都圏の小学生らは夏休みが始まる。たくさんの荷物を抱えて短縮授業や終業式のあとで下校する小学生らの姿を見るのが好きである。これからの長い休みをどのように過ごすのか。こちらもなんとなく(裁判所が夏季休廷時間に入ったりすることもあるが)気持ちが穏やかになる。もっとも、昨今は夏休み期間中の家族での生活自体が、経済的な事情等から大変だという話もよく聞かれるところであり、そのあたりは難しいところではある。
7月下旬~8月初旬
学生の頃はこの時期、出身高校の臨海学校の手伝いに行っていた。海沿いの、たたみや板敷きの、砂浜の砂も持ち込まれたジメジメした宿舎で、万年床のような(一応昼間は畳んでいたか)薄い布団で3週間ほど雑魚寝の生活。6時に起床から11時過ぎの就寝まで、日中は海で生徒たちの水泳の指導(遠泳の実施に向けて)、夕方以降は宿舎でミーティング、というか途中から連夜の宴会となる(体育科の教員とOBG)。この間ほとんど海のことしか考えないような生活。卒業後はほとんど出向いたことはないけれども、いつもこの時期になると、今年も始まったな、今は生徒期間の何班目だろう、などと思い至る。寝付きの悪い私は、毎晩12時近くまで(ほとんど他のメンバー全員の寝息が聞こえるようになるまで)、いくら疲れていても眠れず、しかし朝はきちんと6時に起床して、ラジオ体操の先頭に立つ。それを3週間ぶっ通し。今考えれば、よくあんなことを毎年やっていたもんだ。この期間はバイトも勉強も遊びもなく、ひたすら臨海生活だった。
8月上旬
前記臨海学校の期間が終わると、広島・長崎の原爆投下日、そして8/15の敗戦記念日という流れとなる。このころ夏の甲子園も始まる。学生の時の感覚だと、臨海学校が終わってようやく自分の夏休み期間が始まる、という感じであったが、すでに8/8あたりが立秋だし、夏はピークを過ぎようとする時期。それでもまだ休みの期間は先があったので(大学の休みは9月中旬までであった)、気持ちとしてはややゆったり感がある。
お盆(旧盆)の時期
東京近辺等を除いて、日本中の多くの地域が、8/15前後(敗戦記念日前後)をお盆の時期としており、このころは帰省ラッシュ等が毎年生じる。自分としては仕事柄必ずしもお盆の時期に休みを取るような生活はしてこなかった(本日も出勤している)が、それでも電車が空いていたりすると、なんというかやはり穏やか感がある。差し迫った課題がある年もあったが、たいがいはそのような問題がない時期。
8月20日過ぎ
小学生の頃、8月20日あたりまで1週間くらい親の田舎に出向いたりしていたが、この頃になると、田舎の地元の小学生たちは夏休みも終わって、皆登校し始める。多くの子どもたちが登校する中、まだ田舎遊びをしている自分が(見たことのない子どもということもあり)、奇異な目で見られることもあった。あまり夏休みの終わり頃に宿題に追われたような経験はないが(そもそもあまり宿題を出されたことがない)、このころになると、休みもあとわずか、というさみしい感覚となったもの。今は長期の「夏休み」があるわけではないけれども、それでもこのころになると、そろそろ通常モードだなあ、などという感覚に誘われる。
特に長期の夏休みがあるわけではないことに加え、昨今は夏というと、とにかく暑さが半端ではなく、それをいかにしのぐかということばかりが気持ちの中で先立ってしまう。夏という時期に対するイメージがずいぶん変わった感がある。それでも、なんとなく幼い頃から培われた感覚(さらに、学生時代の臨海学校の記憶、そして音楽)は、今でも夏という季節に気持ちの中で彩りを添えてくれる。
今年も、everything but the girlのアルバム「eden」を聴く。tracy thornやben watt、durutti columnのアルバムも。もうあれから40年も経った。
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