最近の新譜(デヴィッド・ボウイ、マイ・ブラディ・バレンタイン等)

最近の新譜からいくつか。

① デヴィッド・ボウイ「ザ・ネクスト・デイ」
   新譜と言っても、少し時間がたった。何せもう引退したと思われていたボウイの新譜だけあって、発売直後にかなり話題となり、各国のチャートを席巻したらしい。
   まず、印象としては、ボウイが思いの外「元気だ」ということ。先行シングルとして出された「where are we now?」は、落ち着いた感じのナンバーで、ボウイの枯れたというか、やや老いたかな、と思わせるボーカルも含め、まあ、復活しただけでもニュースかな、などと思っていた。しかしながら、アルバムではほぼ全開といった感じのロックナンバーが目白押しで、アールスリックとかおなじみの手練れのミュージシャンたちとの息もぴったりといった感じ(プロデューサーはトニーヴィスコンティだったか?)。先行シングルも、アルバムの各曲の中でいいバランスを醸し出している感。ボーナストラックで入っていた3曲がまたよく、どうしてこちらを正規版に入れなかったの、といった感じ。
   まあ、ツアーとかいう話はなかなかしんどいのかもしれないが、復活作が水準以上だったというのは、やはりボウイか。90年以降に出たボウイのアルバムの中では、1,2を争う出来では。
   ジャケットがあの「ヒーローズ」を下敷きにした、「now printing」といった風情であったり、さらに今後への期待も残す好盤であった。
   ボウイのことは、またいつかまとめて書きたい。

② マイ・ブラディ・バレンタイン「mbv」
   こちらは21年ぶりくらいか。前のアルバムが出たのは1992年頃。当時の私は、まだプー太郎であった。
   前作「loveless」は、ほんと癖になるくらい聞いた。そんなに爆発的に売れたわけでもなく、またそんな内容のアルバムでもなかったが、その後に大きな影響を及ぼしたアルバム。はじめの方のほか、最後の方にいい曲が入っているアルバムというのは、概してよいアルバムなのだが、「loveless」もラストに「soon」が入っており、すばらしいアルバムの余韻を残す。
   興味ない人、また嫌いな人には、単なる爆音ないし雑音なのかもしれないが、あのディストーションかかりまくりのギターサウンドに、漂うようなボーカル、心地よいと思えばどこまでもはまってしまう音である。下を向きひたすらギターを弾きまくる演奏スタイルが、「シューゲイザー」と称されていた。ライブでは、ひたすら爆音が30分も響き渡るような曲もあったとか。
   今作も基本的には前作と同様の感じ。20年一日のごとしと感動するか、それともマンネリととるかは、人それぞれか。まあ個人的には、この新作よりも、併せて再発された80年代から90年代初頭にかけてのマイブラのコンピレーションアルバムのほうが、サウンドの変化もわかり興味深かった。来日公演も見てみたいが、若者がやはりおおいのか?メンバーはもうすでに40代後半は行ってると思うのだが。

③ フレーミング・リップス「テラー」
   このバンドは、これまであまりよく知らなかった(名前は聞いたことがあったが)。
   ネオサイケ系のバンドかと思っていたが、ピンクフロイドのフルカバーをしたり等、どうも「あの手の」プログレ(イエスやキングクリムゾンではないという意味)にも親和性があるバンドのようだ。
   今回出たアルバム、やはりサイケ色にあふれており、現実逃避をして脳内を天地返しするにはもってこいである。昨年出たテイム・インパラのアルバムとは違った意味で、トリップ感あふれた楽曲(テイムインパラは初期フロイド、フレーミング・リップスは中期フロイド?)。
   この人たちも、50歳超えるくらいみたいなんだけど、客層はどんな感じなのだろう。秋に来るようだが見に行こうかどうしようか。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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