高齢化社会を背景に、相続事件の当事者が高齢化している事例が増えています。この世代の方は、まだ兄弟が多いことが多く、相続人間の利害関係がいくつかに分かれ、複雑な様相を呈することも少なくないようです。
もう10数年前になりますが(裁判所提出書面がB4袋とじだった時代です。)、4人兄弟の遺産分割事件(被相続人は母親)を担当したことがありました。
私の依頼者は1人、相手方3名には、当初しばらく同じ弁護士がついていたのですが、途中からうち2人がその弁護士との関係を断ち、他の弁護士に依頼しました(その後、1人はその「他の弁護士」にも辞任されました。)。
被相続人が、遺言を残していなかったため、遺産分割は白紙の状態(1/4ずつ)からのスタートとなりましたが、各当事者が、特別受益を主張し、また調停において遺産の相当部分を占める自宅を取得したいと頑張る当事者がいたりして、最終的には4者4様のような争いとなりました。審判に移行し、尋問も行いました。
私の依頼者は、比較的細やかな方で、この問題が日夜頭から離れなかったようで、私の元には毎日のように手書きのFAXが届きました(共同で受けていたボス弁宛てにでなく、いつも私のみ宛でした。)。
一番困ったのは、その方が、法的にはご自分に不利になると思わざるを得ない事情を主張してほしいと言い張り、挙げ句の果てに、代理人を差し置いて、直接裁判所へ主張書面を出してしまうなどしました。
このような対応を自分に対する冒涜と感じ、憤ったこともありました。
しかし、考えてみれば、やはり粘り強い説明や説得が不足していたのだろうなと思います。
電話や面談等でそれなりに時間をかけて事情を聞くなどしておりましたが、単に話を聞いていただけか、あるいはこちらが考える方針(法的に妥当と思われる方向性)に誘導しようとする姿勢が強すぎたのかもしれません。
この事件、受任から終了まで6年ほどかかりました。事件としてはそれなりの解決で終わった(と思う)のですが、この依頼者との関係ではわだかまりが残りました。
今となってはそれも、自分の未熟さのせいであったと、考えています。
もう10数年前になりますが(裁判所提出書面がB4袋とじだった時代です。)、4人兄弟の遺産分割事件(被相続人は母親)を担当したことがありました。
私の依頼者は1人、相手方3名には、当初しばらく同じ弁護士がついていたのですが、途中からうち2人がその弁護士との関係を断ち、他の弁護士に依頼しました(その後、1人はその「他の弁護士」にも辞任されました。)。
被相続人が、遺言を残していなかったため、遺産分割は白紙の状態(1/4ずつ)からのスタートとなりましたが、各当事者が、特別受益を主張し、また調停において遺産の相当部分を占める自宅を取得したいと頑張る当事者がいたりして、最終的には4者4様のような争いとなりました。審判に移行し、尋問も行いました。
私の依頼者は、比較的細やかな方で、この問題が日夜頭から離れなかったようで、私の元には毎日のように手書きのFAXが届きました(共同で受けていたボス弁宛てにでなく、いつも私のみ宛でした。)。
一番困ったのは、その方が、法的にはご自分に不利になると思わざるを得ない事情を主張してほしいと言い張り、挙げ句の果てに、代理人を差し置いて、直接裁判所へ主張書面を出してしまうなどしました。
このような対応を自分に対する冒涜と感じ、憤ったこともありました。
しかし、考えてみれば、やはり粘り強い説明や説得が不足していたのだろうなと思います。
電話や面談等でそれなりに時間をかけて事情を聞くなどしておりましたが、単に話を聞いていただけか、あるいはこちらが考える方針(法的に妥当と思われる方向性)に誘導しようとする姿勢が強すぎたのかもしれません。
この事件、受任から終了まで6年ほどかかりました。事件としてはそれなりの解決で終わった(と思う)のですが、この依頼者との関係ではわだかまりが残りました。
今となってはそれも、自分の未熟さのせいであったと、考えています。
0コメント