へルター・スケルターを日中流すファーストフード

ヘルター・スケルターと言っても、えりか様ではない。
もちろん、ビートルズのあれ。

職場の近所のファーストフードは、いつ行ってもビートルズがかかっている。
それもランダムに。

ソースは分からないのだが、初期から後期までの曲が、ホントにランダムにかかる。
だから、「ハニードント」の次に、「ディグ・ア・ポニー」がかかることもあるし、
「ゼアズ・ア・プレイス」の次に、「レボリューション№1」(№9でもいい)がかかることもある。
「イエスタディ」の次に、「アイ・ミー・マイン」(ビートルズの曲の中では悪い方の5番以内に入ると個人的に思っている曲)がかかることもあるわけ。
「アイム・ソー・タイアッド」でジョンがシャウトしたあとで、脳天気に「ホワット・ゴーズ・オン」がかかることも。

その結果、
標記のようなことも起こる。

それまで、「オブラディ・オブラダ」とか、「ハニー・パイ」とか、
「抱きしめたい」で明るい感じだったのが、
何の予告もなくあの「ヘルター・スケルター」のギターイントロに突入、ということになる。

この曲、古くからのファンならご存じだと思うが、
昔のレコード(ホワイトアルバム)では、日本語の対訳不能とされていた(ビートルズにはいくつかそのような曲があった)。

そして、この曲に触発され、チャールズマンソンという男が、ロマン・ポランスキー夫人で妊娠中であったシャロン・テートを惨殺したといわれている。

冒頭の映画の内容は私は知らないのだが、少なくともファミリームードのものではないだろう。
この曲のイメージを意識して作られたものなのだと思う。

ビートルズは、そのパブリックイメージとは異なり、
ジョンレノンのマザコン、ジョージのインド信仰等々、闇というか、深い部分、裏の部分もいろいろとはらんでいる。
「黒くぬれ!」「悪魔を哀れむ歌」等の曲のイメージや、「オルタモントの悲劇」、ブライアン・ジョーンズの死等で、メインに闇のイメージがつきまとった(少なくともビートルズと同時代には)ローリング・ストーンズと比べても、「遜色ない」(ビートルズも、ブライアン・エプスタインが亡くなっているが。)。サイケデリックサウンドの行き具合も、同時代の他のバンドの中でもさすがに先を行っている。

まあ、スーパースターにつきまとうプレッシャー(→ライブの中止・・66年アメリカでの排斥運動も絡むだろう。)、個のぶつかり合いに伴うストレス、こういったものが若者の心を苛んだ、といったわかりやすい状況で説明できるところだと思うが。

いずれにしても、昼下がりに子ども連れが多く集うファーストフードで、今日も「ヘルター・スケルター」は、母子たちの単なるBGMとして流れている。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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