ライブレポート~クラムボン&デイヴ・シンクレアほか

「クラムボンは笑ったよ。」


連休も明け、多忙な中だったが、
やはり、カンタベリー系のこの人は見ておきたい、と思った。

デイヴ・シンクレア。

カンタベリー系プログレグループの雄であったキャラヴァンのキーボーディストである。
キャラヴァンは、1968年頃デビュー、同じくカンタベリー系といわれるソフト・マシーンよりは、
若干ポップな肌合いで、地味ながら固定ファンをつけていた。



(画像コピーできないのかな)
「グレイとピンクの地」を筆頭に、いかにもイギリス的なよいアルバムが何枚もある。
ちょっとくぐもった感じのファーストアルバムもなかなか捨てがたい。
メンバーのうち、リチャード・シンクレアは、その後ロバート・ワイアットとの「マッチング・モール」とか、
これまたすばらしい「ハットフィールド・アンド・ザ・ノース」、さらに日本でも結構人気だった「キャメル」といったバンドに所属している。
数年前に、パイ・ヘイスティングス、リチャード・コフランらオリジナルメンバーで再結成して、来日もした(らしい)。

ところで、デイヴ・シンクレアは、ここ数年京都に住んでいるとのこと。
何年か前に、NHKFMで、「今日は1日プログレ三昧」という、すごい特集番組があり、
10時間くらい全部聞いてしまったのだが、
このとき登場し、上記「グレイとピンクの地」に収録されていた「ナインフィート・アンダーグラウンド」ほかの曲を演奏してくれた。

その際、ギターを担当していたのが、クラムボンのギタリスト。

このバンド、言うまでもなく日本のバンドだが、
こちらも何年か前に、たまたまテレビで映像を見て、
おお!ジャズロック!プログレ!と感動したことがあった。
ベスト盤も購入している。

ビルボードライブは、レストラン形式のライブハウスで、比較的ゆったりした席で、しかもミュージシャンをまさに間近に見ることが出来る。
最初に、クラムボンが登場。
冒頭のギタリストのMCで、上記「今日も1日・・」のことに触れていた。
ビルボードライブ仕様で、落ち着いた感じでやりますということだったが、結構エモーショナルな演奏もあり、
普段のライブも見たい感じがした。ボーカルの原田の表情もよく見ることができた。
このギタリストは、中2の時に「グレイとピンクの地」に出会って、以来ファンであるという。
早熟だね。
中2でクリムゾンよりも早熟かも。

4,5曲やったところで、デイヴ・シンクレア登場。
最近出したソロアルバムからも数曲。「小品集」といった感じ。
サポートメンバーのベーシスト、ドラマーに、
ソロアルバムでも登場していた(?)女性ボーカルも加わり、
さらに、途中からクラムボンも戻ってきて、セッションとなった。

正面真ん中に、頭のはげた謎の巨体のフルート・サックス奏者が陣取り演奏。
この人が、これもカンタベリー系のファンなら皆が知っている、ジミー・ヘイスティングスだった。
なんと!!
本日誕生日だったそうで、途中からケーキのような形の帽子をかぶって演奏していた。

セッションに入ってからは、セカンドとか5枚目あたりに入っているキャラヴァンの曲も数曲やってくれ、
なんとも幸福な感じ。
デイヴ・シンクレアは、やはりあのオルガンの音色がいいんだよね。
「グレイとピンクの地」は、名曲揃いだけれども、
特に、2曲目が個人的は好き。
1曲目がちょっといい曲、そして2曲目がもっといい曲、というアルバムは、
大概いいアルバムなのである。
この曲あたりもやってほしかったが、
ちょっと足りないな、というところで終了。
MCも含め、全体にアットホームな雰囲気のライブであった。

帰宅後、キャラヴァン、ではなく、
演奏曲の1つに似ている、ソフトマシーン「Ⅲ」収録の、
「slightly all the time」を聞く。
このアルバムは本当に逸品ぞろい。
どの曲も15分以上の大作だが、
どの曲も優れもの(レコード時代は、1面1曲ずつの2枚組で出ていた。)。
1度ライブを見たかったなあ。


「クラムボンは死んだよ」
「クラムボンは殺されたよ」

もちろん、そんなことない。
クラムボンも、再度ライブを見に行こうか。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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