ライブ・レポート~伝統のUKポップロック・ビートルズ直系?10CCatビルボードライブ東京

近親者から風邪をうつされたようで、体調があまりよくない。
しかし、昨年見損なった10CCである。
もう再来日をしてくれた。

10CCは、1972年頃にデビュー。オリジナル・メンバーは、ケヴイン・ゴドレー、ロル・クレーム、エリック・スチュワート、そしてグラハム(グレアム)・グールドマン。いずれも60年代からキャリアを積んできていたが、特にグラハムは、60年代初期~後期にかけて活躍した「ウェイン・フォンタナ&マインドベンダーズ」のメンバーであったと同時に、作曲家として、ヤードバーズの「フォーユアラブ」、ホリーズ「バス・ストップ」等の名曲も作っている。
年齢を調べたら今年で70才と言うことだったが、とにかく、最近年配のミュージシャンがあっさり死んでしまうことが多いので、見ておきたいバンドは思い立ったら見に行くことにしている(それで・・ボブ・ディランとか,ブライアン・ウィルソンとか,クラプトンも来るんだけどね・・。)。

72年のデビュー曲は、「ドナ」。ビートルズの「オー・ダーリン」の明らかなパロディ。その後、「人生は野菜スープ」「芸術こそ我が命」「アイム・マンディ・フライ・ミー」、「愛ゆえに」(ここからがリアルタイム)、「ドレッドロック・ホリディ」等々という、一癖も二癖もあるヒット曲を70年代に連発した。基本的にイギリスでの人気が中心であったが、75年の「アイム・ノット・イン・ラブ」は、全米でも2位まで上がる大ヒットとなっている。この曲も歌詞は皮肉っぽいのだが、曲は天下一品で、個人的には1970年代に全米トップ5以内まで上がったすべてのヒット曲の中で、ジョニ・ミッチェルの「ヘルプ・ミー」などと並び、5本の指に入る名曲だと思う。76年頃に分裂し、片割れは「ゴドレー&クレーム」として、自らヒット曲を飛ばすほか、ユニークなビデオクリップ(自分たちのヒット曲である「クライ」とか、エルヴィス・コステロの「アイ・ワナ・ビー・ラヴド」等のビデオが有名)で高い評価を得ていた。グラハム&エリックのほうは、その後も10CC名で活動していたが、80年代以降は活動が停滞してしまっていた。

今回の来日メンバーは、グラハムのほかは上記のオリジナル・メンバーはいなかったが、従前よりサポートメンバーであり、途中から正式メンバーとなった人たちもいるよう。
ライブは、冒頭「ウォール・ストリート・シャッフル」の勢いで始まり、「愛ゆえに」、(同じアルバムから)グッド・モーニング・ジャッジ」、「アイム・マンディ・フライ・ミー」「ライフ・イズ・ア・ミネストローネ(人生は・・)」「アート・フォー・アーツ・セイク(芸術こそ・・)」「ドレッドロック・ホリディ」等々上記したようなヒット曲の連発。ボーカルを主に取ったメンバーがかつての10CCのボーカルと声質が同じ。演奏はブレがなく、グラハムの「愛ゆえに」が5音くらい下がって始まったのには微苦笑したが、安定感のある演奏。「ドナ」をアカペラで披露するおまけもついた。
まあ、「懐かしの・・」といった感じだったが、やはり「アイム・ノット・イン・ラブ」、そして「ドレッドロック・ホリディ」(レゲエ調の曲で,当時も先端のイメージだったが、歌詞に「アイ・ドント・ライク・レゲエ」と出てきたり、10CCらしい)の時には、涙腺が大きく緩んで危険事態となった。1曲ラストの聞いたことのあるナンバー(グラムロック・ブギ調)はなんという曲だったか?中途半端なファンだなあ。それでも全く知らない曲は1曲のみであった。

今日聞いてて思ったのだけど、クイーンとも結構共通するところがあるような気がした。

1時間あまりでアンコールもなくあっさり終了。
ちょっと物足りない感もあったが、
まあ、ビートルズのポップセンスを引きついだ、いかにもイギリスらしい音を奏でるバンドということで、
これからも語り継がれてほしい。
なんというか、にんまりしてしまうようなサウンド。

次回は、「ビートルズ直系UKポップ」というタイトルでやってみたい感じがする。ディヴィッド・ボウイの遺作が良いので、旧譜のことも含めてこちらも色々書きたいのだが。

ああ 体調が悪い。
明日は国選配点の件で謝らないといけないのかなあ。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

0コメント

  • 1000 / 1000