ロックシーンというものが、1990年代以降も存在したとすれば、
90年代以降で最後の、一応意味があったといえるシーンは、やはりオルタナティブ・ロックであろう。
当時、イギリスでは、80年代の喧噪が落ち着き、半ばマンネリ化していたところに、ストーン・ローゼズやハッピー・マンディズ、またライドやペイル・セインツ、インスパイラル・カーペッツ、ラッシュのようなサウンドが登場していたが、これに対し米国では、80年代後半ごろからの「カレッジ・チャート」をベースにした新たな動きが浮上してきていた。例えばレッド・ホット・チリ・ペッパーズのような「ミクスチャーロック」、キャンパー・バン・ベートーベンのようなサイケデリックサウンド、ボブ・モウルド→シュガー(これも見に行ったなあ)のような比較的ストレートなアメリカンロック、ベックのようなヒップ・ホップを取り入れた多彩なサウンド、さらにはブラック・クロウズのような、もろ「フェイセズかお前らは?」、というよりも、南部のブルースロック色がギンギンのバンドも出てくるようになってきていた。当時のロックシーンはそれなりにかなり盛り上がっていたのである。
そんな中でも、何よりも「オルタナ」と言われた一連の流れ、スラッシュメタル系(メガデス・メタリカ・スレイヤーj・アンスラックス等)も入るのかよく分からないが、やはりニルバーナを中心とした一連のバンド(ジェーンズ・アディクションとかパール・ジャムとかももちろんそう。ソニック・ユースもお忘れなく。)のブレイクは非常にインパクトがあった。
そんな中で、個人的にニルバーナと共に当時気に入っていたのが、このダイナソー・jr。J・マスシスのやる気のないような歌を載せた爆音サウンド。「グリーン・マインド」というタバコを吸う少女のジャケットのアルバム、その後でた変な絵のジャケットの数枚のアルバム等、ひずんだギターがうなりまくる前のめりのサウンドがこぎみよく、90年代初頭の頃愛聴していた。
その後、活動を休止していたのが、最近になって新譜を出し、来日となったというもの。なんやかんやいって、もうキャリア20年を超えてるんだね。そういうわけで、来日公演に出向いてみた。
失敗だったのは、まず六本木駅の階段から地上に上がり、なぜか反対方向へひたすら向かってしまったこと。どうやら道の反対側に出たことをよく分かっていなかったらしい。六本木駅の真上の交差点にいったん出るべきだった。これで約15分のロス。そして、会場に着いたはいいが、ロッカーがあまりにも小さい(この「ロッカー問題」は、いつも気になることではあったのだが、有無の問題ではなく大小の問題とはまさかと思った。私のように仕事帰りで大カバンをかかえてライブに出向く人はいないという間違った発想をしているね管理者は。たしかにスーツ姿は少なかったけどいたことはいたよね。)。地下1階と地下3階のロッカーを探したが大きいところは僅かですでにいっぱい。後は皆小さい。しかたなくコートのみ入れて、あとは入場時に強制的に購入させられるドリンク・・並んで待っていたらもう開演してしまった・・・開演に間に合わなかったのは私の38年に及ぶライブ遍歴中初めてかも知れない。
そういうわけで、例によってオールスタンディングの端の方で、よく見えない。古くはプリンス公演、新しくはジョニー・ウインター公演(どっちももう鬼籍に入ってしまったなあ。ジョニー・ウインターは震災・原発事故直後に来てくれたんだった)のときのように、人の林の中をお姿を垣間見る、という状況。観客は、20代後半~50代といった感じかな。まあ、自分と同じくらいの人もいたかな。
でも、演奏はとても良かった。MCがほとんどなく(数曲目に新曲をやったときにちょっと曲名を言ったのと、あとはおアンコールで「サンキュー」、それだけ。)、ひたすら曲を演奏し続ける。はっきり言って、知ってる曲は数曲しかなかったし、皆同じ傾向の曲ではあったが、とにかく各曲でギターがひずむ、ベースがひずむ、という感じで、だんだんと高揚して行く自分がいた。1曲ごとにマスシスが神経質に(?)チューニングを繰り替えしていたが、そのチューニングの流れでひずむギターが演奏になだれ込む、というような感じは、まさにライブならではのもの。アンコールもあったが、本割の最終局の長尺の爆音演奏はほんとうにとてもよく、もうこれでライブが終わってしまっても良い(アンコールなしでも良い・・このバンドならそれはあり得る)、なんて思ってしまったほどであった。観衆も前の方は盛り上がっていたようで、ダイブしてる人がいたなあ。
残念なことだが、テデスキ・トラックスバンドのライブでは、途中で退屈な感覚になってしまった。しかし、今日は全くそれはなかった。個人的に、やはりこういうサウンドが好きなんだ、肌に合うんだと思う。曲調はかなりいっしょなのだが、それはストーンズだって同じ。ダイナソーは、「オルタナのストーンズか?」などと、訳の分からない言葉が脳内によぎった。
もともと、スーパースターと言うよりも、まさに「オルタナ」という感じで、セミプロのような風情も醸し出してやっていたバンドという印象がある。20数年経ってもその点は変わらないのだなあ、と、感慨深かった。
それから、きょう改めて感じたのは、やはりアメリカのバンドということもあるけども、REMとの共通点がサウンド的に(特にメロディーラインか)結構あるのかな、ということ。REMの曲にノイジーなギターを乗せるとダイナソーかな、とか。どちらもとてもいいバンドだが。
今日のライブがYouTubeでアップされていたらみたいです。
でも、1つだけ不思議だったこと。
開演時間(19:30)きっかりに始まり、終わったのが21:00きっかり。
これは、ちょっと残念だったなあ。
90年代以降で最後の、一応意味があったといえるシーンは、やはりオルタナティブ・ロックであろう。
当時、イギリスでは、80年代の喧噪が落ち着き、半ばマンネリ化していたところに、ストーン・ローゼズやハッピー・マンディズ、またライドやペイル・セインツ、インスパイラル・カーペッツ、ラッシュのようなサウンドが登場していたが、これに対し米国では、80年代後半ごろからの「カレッジ・チャート」をベースにした新たな動きが浮上してきていた。例えばレッド・ホット・チリ・ペッパーズのような「ミクスチャーロック」、キャンパー・バン・ベートーベンのようなサイケデリックサウンド、ボブ・モウルド→シュガー(これも見に行ったなあ)のような比較的ストレートなアメリカンロック、ベックのようなヒップ・ホップを取り入れた多彩なサウンド、さらにはブラック・クロウズのような、もろ「フェイセズかお前らは?」、というよりも、南部のブルースロック色がギンギンのバンドも出てくるようになってきていた。当時のロックシーンはそれなりにかなり盛り上がっていたのである。
そんな中でも、何よりも「オルタナ」と言われた一連の流れ、スラッシュメタル系(メガデス・メタリカ・スレイヤーj・アンスラックス等)も入るのかよく分からないが、やはりニルバーナを中心とした一連のバンド(ジェーンズ・アディクションとかパール・ジャムとかももちろんそう。ソニック・ユースもお忘れなく。)のブレイクは非常にインパクトがあった。
そんな中で、個人的にニルバーナと共に当時気に入っていたのが、このダイナソー・jr。J・マスシスのやる気のないような歌を載せた爆音サウンド。「グリーン・マインド」というタバコを吸う少女のジャケットのアルバム、その後でた変な絵のジャケットの数枚のアルバム等、ひずんだギターがうなりまくる前のめりのサウンドがこぎみよく、90年代初頭の頃愛聴していた。
その後、活動を休止していたのが、最近になって新譜を出し、来日となったというもの。なんやかんやいって、もうキャリア20年を超えてるんだね。そういうわけで、来日公演に出向いてみた。
失敗だったのは、まず六本木駅の階段から地上に上がり、なぜか反対方向へひたすら向かってしまったこと。どうやら道の反対側に出たことをよく分かっていなかったらしい。六本木駅の真上の交差点にいったん出るべきだった。これで約15分のロス。そして、会場に着いたはいいが、ロッカーがあまりにも小さい(この「ロッカー問題」は、いつも気になることではあったのだが、有無の問題ではなく大小の問題とはまさかと思った。私のように仕事帰りで大カバンをかかえてライブに出向く人はいないという間違った発想をしているね管理者は。たしかにスーツ姿は少なかったけどいたことはいたよね。)。地下1階と地下3階のロッカーを探したが大きいところは僅かですでにいっぱい。後は皆小さい。しかたなくコートのみ入れて、あとは入場時に強制的に購入させられるドリンク・・並んで待っていたらもう開演してしまった・・・開演に間に合わなかったのは私の38年に及ぶライブ遍歴中初めてかも知れない。
そういうわけで、例によってオールスタンディングの端の方で、よく見えない。古くはプリンス公演、新しくはジョニー・ウインター公演(どっちももう鬼籍に入ってしまったなあ。ジョニー・ウインターは震災・原発事故直後に来てくれたんだった)のときのように、人の林の中をお姿を垣間見る、という状況。観客は、20代後半~50代といった感じかな。まあ、自分と同じくらいの人もいたかな。
でも、演奏はとても良かった。MCがほとんどなく(数曲目に新曲をやったときにちょっと曲名を言ったのと、あとはおアンコールで「サンキュー」、それだけ。)、ひたすら曲を演奏し続ける。はっきり言って、知ってる曲は数曲しかなかったし、皆同じ傾向の曲ではあったが、とにかく各曲でギターがひずむ、ベースがひずむ、という感じで、だんだんと高揚して行く自分がいた。1曲ごとにマスシスが神経質に(?)チューニングを繰り替えしていたが、そのチューニングの流れでひずむギターが演奏になだれ込む、というような感じは、まさにライブならではのもの。アンコールもあったが、本割の最終局の長尺の爆音演奏はほんとうにとてもよく、もうこれでライブが終わってしまっても良い(アンコールなしでも良い・・このバンドならそれはあり得る)、なんて思ってしまったほどであった。観衆も前の方は盛り上がっていたようで、ダイブしてる人がいたなあ。
残念なことだが、テデスキ・トラックスバンドのライブでは、途中で退屈な感覚になってしまった。しかし、今日は全くそれはなかった。個人的に、やはりこういうサウンドが好きなんだ、肌に合うんだと思う。曲調はかなりいっしょなのだが、それはストーンズだって同じ。ダイナソーは、「オルタナのストーンズか?」などと、訳の分からない言葉が脳内によぎった。
もともと、スーパースターと言うよりも、まさに「オルタナ」という感じで、セミプロのような風情も醸し出してやっていたバンドという印象がある。20数年経ってもその点は変わらないのだなあ、と、感慨深かった。
それから、きょう改めて感じたのは、やはりアメリカのバンドということもあるけども、REMとの共通点がサウンド的に(特にメロディーラインか)結構あるのかな、ということ。REMの曲にノイジーなギターを乗せるとダイナソーかな、とか。どちらもとてもいいバンドだが。
今日のライブがYouTubeでアップされていたらみたいです。
でも、1つだけ不思議だったこと。
開演時間(19:30)きっかりに始まり、終わったのが21:00きっかり。
これは、ちょっと残念だったなあ。
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