水郡線

音楽以外にも、中途半端にいろんなことに興味がある。

小さいころに始めた大相撲新聞スクラップ(横綱玉の海が死去した次の場所から始まっている。若貴あたりからやってないな。)、歴史のこと、地理のこと、気象のこと(小学生のころ気象通報マニアであった)、切手のこと(かつて収集に凝っていた時期があり、今も相当数手元にある)、ハングルのこと(これは毎日少しでも接するようにしているが・・)、雑多な新聞のスクラップ(これはやめられない)・・。

だから本業がおろそか、ということは言われないようにとは思ってますが。

そういったものの1つに、「鉄道」がある。

鉄道といえば、すでに確立した「おたく道」があり、またスタンダードなマニア流儀もあり、これだけは知らなきゃと言う基本ラインも恐らくあるが故、国内だけでも100万人(は多すぎる?)はいるかと思われる幾多のマニアの皆様の足元どころか、足の裏あたりにも潜めないほどだと思う。

しかし、単純に私は鉄道が好きである。小さいころから、鉄道関係の本をいろいろ読んだり、また時刻表を見ては想像をたくましくしたり等。かつてブルートレインが全国を走り回っていたころは、そのダイヤや停車駅を見て、「あ~、この特急は西鹿児島まで24時間以上かかるんだ(富士のこと)」「この特急は名古屋に止まんないんだ(そういうのがあったのかは定かではないが、夜中にかなり大きな駅を通過してしまう特急はいくつもあった。」等々と一人感動を覚えていたものであった。
旅先で廃線跡を見るのもよい。自宅には国鉄時代の時刻表が保存してあり、当時の北海道の路線図を見るとしみじみする。
鉄道マニアということで言えば、結局、ファッションも含めた(笑)あの風情になじめず、深入りすることはなかったのだが、鉄道関係の本や雑誌も10冊をはるかに超えるほど持ってはいる。

そういうわけで、ときどき時間があると、これまで行ったことのない場所に行き、乗ったことのない鉄道に乗りに行く、というのをたまにやる。「ただ乗りに行く」だけである。

今回は、水郡線。茨城県水戸から福島県郡山を結ぶ線。
かつて、福島・双葉町の祖父母の家へ毎夏ごとに出向いていたころ、常磐線はよく乗っていたが、常磐線の駅から出ている各「支線」に乗ることはほとんどなかった。1度、一人で回れるようになってから、郡山→平(いわき)間の磐越東線に乗ったくらいである。成田線、水戸線、鹿島臨海鉄道、常総電鉄・・等々、存在は知っていたが乗ったことのない鉄道が多数ある。
水郡線も、その1つ。

なぜか。

勿論、「用がない」からである。
今回も別に「用があった」わけではない。ただ、乗ってないから乗りたくて行ったのである。

7時前に家を出て、7時半の上野発特急「ときわ」(昔は急行だったんだけど)で水戸へ。約40分待って、水郡線に乗る。すべて鈍行列車だが、郡山まで直通の電車は1日のうちでもわずかしかない。そのうちの手頃な1つである(水戸9:22発)。
乗ってまず再認識したのは、この線が電化されてない単線であること。これはちょっと驚いた。八高線ですら電化されている(全部ではない?)のに、この線は全線ディーゼルである。水戸駅を発車し、少しした時点で、エンジン音で分かった。「そうだったのか!」と。

沿線は、しばらくは田舎の市街地のようなところを走って行ったが、徐々に田園地帯が増えて来、常陸太田への分岐を過ぎて、袋田(の滝で有名)、常陸大子とくると、徐々に山がちになってくる。常陸大子はこの線でもそこそこ大きな駅だと思っていたのだが、東側は市街地なものの、西側はほんと長閑な田園地帯でちょっと驚いた。川沿い(鬼怒川だったか?)を走り、その後矢祭あたりから福島県に入り(この駅のあたりも、切り立った崖と渓谷で景勝地という感じ)、関東平野故になかったトンネルも徐々に出てくる。とりわけ、福島に入ってからは、線路に雑草が生え放題で、30センチくらいに育った草がボウボウ(というか、20センチおきにおっ立ってる感じ)、前方へまっすぐ伸びる線路の向こうの方が野原に見え、その中を列車が走って行くという、あまり見たことのない風景が展開された。「磐城石川」とか、あの高校野球で有名な学法石川の地元だと思うのだが、想像以上に田舎(失礼)で驚いた。こんなところから甲子園に何回も出ていたんだな。まあ、双葉高校も、沿岸の田舎から県立で3回も出てたけど。
郡山に近づくと、また一挙に水戸と同じような市街地の風景が現れる。この間3時間20分。ずっと立ちっぱなし。最後の1時間は先頭車両の一番前のほうに陣取り、ひたすら前方を見つめていた。車内には、おそらく同じような動機で乗っているのだろうと思われる、主に中年以上の、主に男性乗客が何名か。EL(電気機関車)のTシャツを着た恐らく電車好きの孫を連れた、自分は時刻表を握りしめてニコニコしているおぢいさんも。何というか、ほほえましい。私は鉄道マニアというほどではないけれど、マニアの感覚はよく分かる(コミケとかフィギュア大展覧会に出向くその方面のマニアの方々についてまではちょっと無理だが)。
3時間20分は意外と疲れず。その後、宇都宮まで新幹線→烏山まで烏山線を往復(この線は電化されている。田園地帯を走り抜けていったが、こちらは座ってしまったため、強烈な眠気に襲われて、あまり周りを見てなかった。烏山で降りて1時間あったので酒蔵に出向き日本酒を買う)、宇都宮から帰路についた。

かつて、飯田線、足尾線、相模線や鶴見線、根岸線等々は一通り乗っている。地下鉄も、丸ノ内線の杉並方面の枝分かれ線等に「単に」乗りに行くなどしている。次回機会があったらどこにしようか。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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