ジミヘンの新譜(!)

ジミヘンの「ボウス・サイズ・オブ・ザ・スカイ」という、未発表音源集が先頃発売された。

ジミヘンという人は、1970年9月18日に亡くなっており、もう死後48年も経つ。
ジミヘンの音源というのは、4年弱という短い活動期間だったにもかかわらず、それこそ星の数ほどある。
死後、作品の権利関係がめちゃくちゃだったらしく、さまざまな音源からさまざまな組み合わせでさまざまなアルバムが乱発され、どれが公式のものなのかがよくわからないようになってしまっていた。

それが、1990年代くらいになってから、遺族が権利関係を確保し(たんだったとおもう)、定期的に、未発表音源を整理した作品集が発表されるようになった。かつての担当エンジニアだったエディ・クレーマーも協力している。
私は、このような作品集が発表されるたびに、かならず購入するようにしている。そして、ほとんど毎回、裏切られることはなく、そのすごさを改めて認識している。

今回の音源集も、録音時期はさまざまであり(比較的後期かな)、また曲自体は以前にも聞いたことのあるものがいくつもあったが、やはり期待に応えてくれる内容だった。時間のない日々の中で、すでに4回くらいは通しで聴いている。

昨日、ギズモドロームの公演に行った際にも、エイドリアン・ブリューが冒頭の自己紹介で、「ジミヘンドリックスです」というようなことを言っていた。死後50年経ってもそのようなジョークが「あれ?」っと滑って沈黙させるようなものにならず、リアルな形で伝わってくる希有なミュージシャンである。

中1の頃に初めてラジオで聞いたときの、全く他で聞いたことのなかったようなサウンド、その衝撃。中2の頃見た「ウッドストック」の映画でのライブ・パフォーマンス(客は皆すっかりいなくなっていた、泥まみれの会場に向かって、戦闘機のように奏でられた米国国歌(スター・スタングルド・バナー)、20代初めの頃ようやく見聞きすることが出来大変な衝撃を受けた「モンタレー・ポップ・フェスティバル」のパフォーマンス。
ソフト・マシーンの未発表音源で、ロバート・ワイアットのボーカルのバックでベースを弾いていたのも、とても印象に残る。

いつになっても、初期衝動を思い出させてくれる、本当に希有なミュージシャンである。ビートルズとは別の意味で、音楽史に必ず名を残し続けるのであろう。
この人と、このサウンドと出会うことが出来て、本当に良かった。
それだけでも(とまではいわないが)、この時代に生きていて良かった。

判らない人はかわいそうだが。




ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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