1ヶ月ほど前のことになるが、ダニー・カーワンというギタリストが死去した。
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/28510
フリートウッド・マックの元メンバーである。
フリートウッド・マックというグループは、当初はブリティッシュ・ブルースロックバンドとして登場した(1968年頃)。
バンド名の「フリートウッド」「マック」というのは、リズム隊のミック・フリートウッド(ドラマー)、及びジョン・マクビー(ベース)両名の名前から取っている。これに、一時ジョンと夫婦でもあったクリスティーン・マクビー(旧姓パーフェクト・・初期には在籍せず)の3名を不動のメンバーとし、他のメンバーが時代ごとに入れ替わり、それにつれてサウンドも大きく変化してきた。
初期は、ピーター・グリーンという、比較的正統派ブルース系(BBキング系?)のギタリスト、ジェレミー・スペンサーという、聞けばすぐ判るエルモア・ジェームス系ブルースのギタリスト(ジャララ、ラララ、ラララ、ラララ、ジャンジャン、という感じ)それに途中から入ったダニーのトリプル・ギター編成で、「ブラック・マジック・ウーマン」、「アルバトロス」、「オー・ウェル」等々の数々のヒットを、イギリスを中心に連発していた。個人的には、この初期のサウンドはとても好きで、CDを何枚も持っているし、DVDも買ったし、今でもときどきYouTubeで見たり、自宅や車の中でかけている。
ピーター、その後ジェレミー(イスラム教に帰依)が抜け、クリスティーン、それにボブ・ウェルチ(70年代後半頃「センチメンタル・レディ」「エボニー・アイズ」(日本でもそこそこ)というソロヒットがあった)が加入して、サウンドはブルース色が薄まり、ワイルドさを潜め、地味にはなったが、それでもなかなか趣深いものに変わった。このころの中心的なギタリストが、ダニー・カーワンであった。
ダニーは、その後恐らく、74年頃にはバンドを抜け、その後スティービー・ニックスとリンジー・バッキンガム(この2人もかつて夫婦)が加入、76年あたりから路線をさらに変えて、アメリカでの大々的な展開に成功、77年の「噂」というアルバムは、1000万枚以上売れたメガヒットとなっている(たぶん20週以上はチャートの1位にいたと思う。)。その後も、この「ニックス・バッキンガム」エラのメンバーを中心に、長く活動を続けている(バッキンガムは抜けたと思うが)。
このダニーという人、マックを抜けてからしばらくすると、音楽界から身を引き、その後はほとんどホームレスのような生活に落ちぶれてしまっていたという。一時期、ピーター・グリーンも、浮浪者のような姿が雑誌に載ってしまい(ギターを弾けないように爪を伸ばし放題にしていた)、かなり落ちぶれていたが、その後復活し、来日公演までしている(最近見ないな)。しかし、ダニーは再起することなく、上記の記事にもあるけれども、マックがロックの殿堂入りした際の表彰式にも姿を見せなかったという。
私は、初期のマックの映像を見る度に、全体的にむくつけきルックスのメンバーの中で、何となく場違いのようなすっきりした風貌で演奏していたダニーのことが、なんとも気になっていた。その後「第2期」の地味なマックというのは、それほど聞いたことがないのだが(その中でも聞いたことがあるサウンドは、上記したとおり趣深い)、その中では中心を担い、その後の大ブレイクした「第3期」マックへ「つないだ」重要な役割を果たしていたということである。
ダニーのことをよく知っていたり、またダニーがミュージシャンとしてとても好きだった、というわけではないのだけれども、一時代を担ったミュージシャンが、結局落ちぶれてしまい、落ちぶれたままで人生を終えてしまった、死亡記事を読んだときに、なんともむなしい感覚に陥った(ちなみに、朝日新聞にも日経にも掲載はなかった。)。
関係ないけど、ブリティッシュ・ブルースと言えばジョン・メイオールだが、もう今年で85歳なんだよね。まだ演奏しているのかな。ピーター・グリーンやジョン・マクビー(あとクラプトンとか、ジャック・ブルースとか)の師匠でもあるが。
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/28510
フリートウッド・マックの元メンバーである。
フリートウッド・マックというグループは、当初はブリティッシュ・ブルースロックバンドとして登場した(1968年頃)。
バンド名の「フリートウッド」「マック」というのは、リズム隊のミック・フリートウッド(ドラマー)、及びジョン・マクビー(ベース)両名の名前から取っている。これに、一時ジョンと夫婦でもあったクリスティーン・マクビー(旧姓パーフェクト・・初期には在籍せず)の3名を不動のメンバーとし、他のメンバーが時代ごとに入れ替わり、それにつれてサウンドも大きく変化してきた。
初期は、ピーター・グリーンという、比較的正統派ブルース系(BBキング系?)のギタリスト、ジェレミー・スペンサーという、聞けばすぐ判るエルモア・ジェームス系ブルースのギタリスト(ジャララ、ラララ、ラララ、ラララ、ジャンジャン、という感じ)それに途中から入ったダニーのトリプル・ギター編成で、「ブラック・マジック・ウーマン」、「アルバトロス」、「オー・ウェル」等々の数々のヒットを、イギリスを中心に連発していた。個人的には、この初期のサウンドはとても好きで、CDを何枚も持っているし、DVDも買ったし、今でもときどきYouTubeで見たり、自宅や車の中でかけている。
ピーター、その後ジェレミー(イスラム教に帰依)が抜け、クリスティーン、それにボブ・ウェルチ(70年代後半頃「センチメンタル・レディ」「エボニー・アイズ」(日本でもそこそこ)というソロヒットがあった)が加入して、サウンドはブルース色が薄まり、ワイルドさを潜め、地味にはなったが、それでもなかなか趣深いものに変わった。このころの中心的なギタリストが、ダニー・カーワンであった。
ダニーは、その後恐らく、74年頃にはバンドを抜け、その後スティービー・ニックスとリンジー・バッキンガム(この2人もかつて夫婦)が加入、76年あたりから路線をさらに変えて、アメリカでの大々的な展開に成功、77年の「噂」というアルバムは、1000万枚以上売れたメガヒットとなっている(たぶん20週以上はチャートの1位にいたと思う。)。その後も、この「ニックス・バッキンガム」エラのメンバーを中心に、長く活動を続けている(バッキンガムは抜けたと思うが)。
このダニーという人、マックを抜けてからしばらくすると、音楽界から身を引き、その後はほとんどホームレスのような生活に落ちぶれてしまっていたという。一時期、ピーター・グリーンも、浮浪者のような姿が雑誌に載ってしまい(ギターを弾けないように爪を伸ばし放題にしていた)、かなり落ちぶれていたが、その後復活し、来日公演までしている(最近見ないな)。しかし、ダニーは再起することなく、上記の記事にもあるけれども、マックがロックの殿堂入りした際の表彰式にも姿を見せなかったという。
私は、初期のマックの映像を見る度に、全体的にむくつけきルックスのメンバーの中で、何となく場違いのようなすっきりした風貌で演奏していたダニーのことが、なんとも気になっていた。その後「第2期」の地味なマックというのは、それほど聞いたことがないのだが(その中でも聞いたことがあるサウンドは、上記したとおり趣深い)、その中では中心を担い、その後の大ブレイクした「第3期」マックへ「つないだ」重要な役割を果たしていたということである。
ダニーのことをよく知っていたり、またダニーがミュージシャンとしてとても好きだった、というわけではないのだけれども、一時代を担ったミュージシャンが、結局落ちぶれてしまい、落ちぶれたままで人生を終えてしまった、死亡記事を読んだときに、なんともむなしい感覚に陥った(ちなみに、朝日新聞にも日経にも掲載はなかった。)。
関係ないけど、ブリティッシュ・ブルースと言えばジョン・メイオールだが、もう今年で85歳なんだよね。まだ演奏しているのかな。ピーター・グリーンやジョン・マクビー(あとクラプトンとか、ジャック・ブルースとか)の師匠でもあるが。
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