スペンサー・デイヴィス・グループと言えば、1960年代中盤頃、イギリスでヒット曲を連発したグループ。全員白人のメンバーながら、当時の「スウィンギング・ロンドン」を彩るR&B色の強いサウンドで、「KEEP ON RUNNING」「GIMME SOME LOVIN'」「SOMEBODY'S HELP ME」「I'M A MAN」等の数々のヒットを残している。何より、まだ10代だったスティービー・ウインウッドがフロントマンとして数々の名唱を残し、その長いキャリアの最初期を飾っている。デビュー当時の「DIMPLES」(1963年)での歌唱は、とても15才とは思えない見事なもの。また、「BLUES IN F」というインストナンバーは、グラハム・ボンド・オーガナイゼーションとか、ブライアン・オーガー&トリニティ等とも通じる、ジャズ色の強いいかしたオルガンサウンド(アニマルズのアラン・プライスもそうだが,ハモンドオルガンの音というのはその後のシンセ系のパシャパシャしたキーボードサウンドとは大きく異なり、ホントにぐっとくる。もう少し発展型かもしれないが、ソフトマシーンのマイク・ラトリッジの音もとても好み。実はジョン・ロードも悪くないと思っているが、この人も60年代からの長いキャリアの持ち主。こちらはよりクラシカルではあるが、共通する背景もあろう。)。個人的にはウィンウッドは、その後のトラフィックの時代や、ブラインド・フェイス、またソロになってからの何枚かのアルバムを好んでいるが、このキャリア初期のサウンドも、まさにこの人のルーツを示すもので興味深い。
ウインウッドの話ばかりになってしまったが、スペンサー・デイヴィス、81才ということだったと思う。ウインウッドも追悼のコメントを出していた。大恩人であろう。
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