・OLD BROWN SHOE
「ジョンとヨーコのバラード」のB面。
ジョージはビートルズ後期になると、優れた楽曲を何曲も残している。ジョン&ポールの狭間で抑圧されていたものが徐々に解放されて行き、後述するようなソロ活動での成功にもつながってゆく。
この曲も、あまり有名ではないが、そのような作品の中の1曲。オリジナルアルバムには入ってない(当時アメリカのみで発表された「ヘイ・ジュード」というタイトルの編集版には入っていた)が、テンポのよい、途中で曲調が変わるところなどとてもよい曲。小6の頃に最初に聞いた頃から好きな曲。
・DON'T LET ME DOWN
「ゲット・バック」のB面。
がっかりさせんなよって、このあたりもA面でシングルカットされてもいい感じ。B面だけれどもかなり上位まで行ったんじゃなかったか?(11位とか)。
この曲は、あのアップルの屋上でのゲリラライブを思い出させてくれる。ジョンがヨーコに宛てて作った曲の1つ。それにしてもこのころのビートルズ(最後期)は、結構ハードなイメージの曲が多い。同じジョンの「I WANT YOU」とか、ポールの「I'VE GOT A FEELING」とか、あと「I DIG A PONY」など、重々しい曲が多く、見方によっては重苦しい、あの全く再公開されず、また再発されない映画「LET IT BE」の雰囲気に通じる感じ・・そろそろ今年あたり、「GET BACK」セッションのバージョンとして日の目を見てくれないかと思っているが。ヨーコが亡くなってから出すなどと言うのはあまりにも、という感じがするので。
・COME TOGETHER/SOMETHING
これは、「両A面」ですね。途中からそうなったのかも知れないが。タイプの違う両曲だが、どちらがA面でもおかしくない楽曲。ジョンの前者もこの時期のビートルズっぽい感覚を醸し出しており、シンプルながら味わい深い。エアロスミスほか多くのカバーがある。ジョンの「SHOOT ME」というフレーズがなんとも・・だが。後者はあのフランクシナトラが大変好んでいたというエピソードもあるくらいの名曲で、ジョージの数ある作品の中でもやはり指折りであろう。やはり個人的に抱くビートルズ最後期の雰囲気をとても醸し出している曲。この1年ほど後にジョージは、「ALL THINGS MUST PASS」という2枚組の名盤をものにして、当時のビートルズのソロ活動としては頭1つ抜けた形となることになる。
・YOU KNOW MY NAME
「LET IT BE」のB面。
ビルボートチャート初登場6位(のちに当然1位)という、当時としては破格のチャートアクションを示したA面曲のシングルは、大変なセールスをあげたはずで、今でも超有名曲の1つ。その分この曲も多くの人が手にし、耳にしているはず。しかし、あまり有名ではない。
なぜって、なんともおふざけ、と言うか余興的な感じの曲だから。
最初はミディアム~スローテンポのロックナンバーなのだけれども、1分もしないあたりで、なんだかおふざけの古風なジャズ・ボーカルの曲調になり、さらに裏声のこれまたおふざけの曲調、さらにボードヴィル?調になり、最後の方にブライアン・ジョーンズのサックスが入って終わる、てな感じ。
変な曲なんだけど、これも当時のビートルズの雰囲気を醸し出している。実際にはこれが発売された頃はブライアンは亡くなっていたんじゃないか(69年6月頃死去。録音は67年だったと思う。)。マニアックな曲だけれども、本来は前記事情により多くの人が知ってるはずの不思議な曲。
・FOR YOU BLUE
「LONG AND WINDING ROAD」、ビートルズの最後のシングルのB面曲。
フィル・スペクターのプロデュースによる大げさな(笑)、まさにビートルズが大団円を迎えるかの、サイモンとガーファンクルで言えば「明日にかける橋」のようなA面(ポールはこのプロデュースがいやだったらしい)に対し、この曲はなんというか、「小品」である。ジョージの作品の中でも、特に名作というわけではないし、地味な曲だが、なんかジョージのある種弱々しい独特なギターの音色が、ボトルネックを通じてなお強調されている。ほとんどジョージのソロのような風情。このような曲がビートルズ最後のシングルのB面を飾るというのも、なんとも奥ゆかしい。個人的には捨て置けないな、と思う曲。関係ないが、一昨年亡くなった埼玉弁護士会元会長のO先生は、この曲が好きだったようで、私的なライブ等でよくこの曲を演奏していたことが思い出される。
なんだか中後期の曲に集中してしまった感じがするが、まあ、そっちのほうが好きなんだからしょうがない。ビートルズは初期にもいい曲が多いが、個人的にはやはり中後期に優れたものがありすぎるので、そっちに偏ってしまうね。
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