与太者亡き後は人民王朝の強権体制が世界における最大のガンであるが、
これはなかなか難しいのであろう。
32年前の天安門事件の総括すらできておらず、
それどころか、近年本当にその強権度、人権抑圧の度合いを強めている。
「周りからの攻撃に防御的なあまりのこと」
「あの広大な国土と人口をまとめるにはそのような方法しかない」
等々という話もあるのかもしれないが、
冷戦時のソ連の態勢がそのまま移ったようなイメージすらある。
ソ連と大きく違うのは、経済力。
「社会主義市場経済」などと言うが、要するに、「国家資本主義」。
資本家等も含めて国家が管理し、コントロールし、言うことを聞かなければ弾圧する。
(言うまでもなく、ウィグル、香港然り。武漢の人々然り。)
都合の悪い海外メディアは国内での活動を強く制限する。
人民も、みんなわかっているけど、日々の生活が一番だし、声を上げられない(あげようともしないのが大半か。)。
また、世界上に網を張って(これは実は20世紀当時から着々とやっていたのだが。「第三世界の友人」などと称して。かつての非同盟諸国会議も周恩来が重要なポジションにあった。)、アフリカ、南米、東欧、南太平洋諸国等に資金援助・港湾開発等の援助等やワクチン提供等でつり、自分たちへの協力を求める。
融資が払えなくなれば担保に取っていた港湾の権利を取得してしまう。
台湾と友好関係にある国をこういった手段や圧力でどんどん切り崩す(最近ではガイアナ、キリバス等)。
実は歴史的に見ると、あまり今の領域から外部へ軍事力で領土拡大をしてきてはいなかったように思うのだが(大昔はともかく。なおいうまでもなく「元」(蒙古)は人民王朝=漢民族とは別の系譜。まあ、それなら「清」は?という話もあるが。)、最近は経済力に自信を持っているのか、南シナ海・南沙諸島の件にしても、かつてない動きをしている。ない理屈を強引に押し込む。暴力団のようである。
今や、かつての冷戦構造がまたあからさまな形で再現されてきているように思われる。
そして今は、かつての東側が「権威主義」という形で。
その応援団支部も各地にあり(東西という区域割りではもちろんない)、しかもそれが一応民主的な選挙で選ばれたりしているのだからたちが悪い(ハンガリー、ポーランド、ブラジル、フィリピン等々)。
今後のこの「新冷戦」構造がどのようになっていくのか。
少なくとも私には、この2つを価値相対的な感覚で受け止めることは出来ない。
暴力団のような勢力が世界支配のメインストリームに上がって欲しくはない。
まあ、考えてみれば、中国4000年の歴史というのは、だいたいにおいてこういった権威主義的なもので仕切られ続けてきていたもので、それは今でも変わっていない(かつての延長線上にある)。
だから、「中華人民王朝」と呼ぶのが相応しい。
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