ジェネシスと言えば、1980年代半ば頃に一世を風靡したロックグループとして有名であろう。フィル・コリンズのちょっとお茶目なキャラが前面に出て、かなり大衆的な人気を博していたと思う。
しかし、このグループの初期は、本当に英国色が濃いサウンドと歌詞の世界が展開されていた。ボーカルは、「ピーター・ゲイブリエル(ガブリエル)」。
ロックグループにしては珍しい、上流階級の出身だそうだが、68年デビュー後、徐々にプログレ色、またシアトリカルな色を展開するようになる。
2枚目の「trespass(侵入)」というアルバム(ファーストは聞いたことがない)では、まだコンセプトが定まりきっていない印象があったが、3枚目「nursery crime(邦題は、『怪奇骨董音楽箱』だったか?)」、および4枚目「foxtrot」で1つの型が出来た感じである。3枚目では、やはり大作「musical box」を中心に佳曲が並び、4枚目ではメロトロンがイントロから大展開するオープニングの「watcher of the skies」が、まさにタイトル通り、暗闇に天から光が差してくるような壮大かつ独特なサウンド。このアルバムに入っている曲は皆秀逸。大作「supper's ready」も含めて。5枚目「selling england by the pound(英国売ります・・邦題は「月影の騎士」)」は最高傑作との評価が高いが、昔最初に聞いた頃、なんと英国的なアルバムだろうと感銘を受けたほどであった(どんなものが「英国的」なのか?といわれると言葉では説明しがたいが、要するに,このアルバムのようなもののことなのである。)。オープニング「dancing in the moonlite knight」に2曲目の初のシングルヒットナンバー「i know what i like」「firth of fifth」さらに最終盤を彩る「the cinema show」等々名曲がずらり。キーボードのトニー・バンクスの貢献がかなり大きい。4曲目のフィルコリンズ作らしい曲だけちょっと凡庸な感じ(このアルバムのサウンドにはそぐわないかな?ということ・・しかし後のフィルコリンズのポップなサウンドにはつながるか。)で残念なのだが、それはご愛敬といったところ。何十回か聞いたな あ。6枚目の「the lumb lies down on broadway」(ピーター主導の2枚組コンセプトアルバム)を1つの頂点に、その後ピーターが脱退して、フロントマンがフィルコリンズとなり、徐々にバンドのサウンドが変わっていく訳だが、私はここまでのジェネシスがやはり一番いいと思っている。最近はYouTubeで当時のパフォーマンスを見ることも出来るし、ビデオも発売されたが、ピーターの妖艶ぶり、また変化ぶりが本当に見もの。「シアトリカル・ロック」などと言われたのもよくわかる。
しかし、このころは日本では無名だったんだろうなあ。よく例の4大プログレバンドにジェネシスを加えて「5大プログレバンド」などと言われたこともあったが、それとてかなりあとになってから(70年代後半?)のことなのではないかと思うのだ。日本と言うことで言うなら、80年代入って少ししてからようやく有名になったんじゃないか?
0コメント