しばらく前の話だけれど、4名くらいの若手が共同でやっている事務所で、1人が仕事を抱え込みすぎたのか、事務所に来なくなってしまっただかになり、他の3名がその弁護士が滞留させた件の尻拭いのために大変な思いをした、と言う話を聞いたことがある。
その事務所は経費分担を平等に(?だったか)やっていたようで、法人ではなく、それぞれがそれぞれの仕事をバラバラにしていたよう。なので本来は、各弁護士がそれぞれ自分のやっていることに責任を負うべきであり、またそれで足りるはずではある。お互い、どんな内容の事件をやっているのかはよく知らなかったりするわけで。
しかし、対外的にはそのような話は必ずしも通用しない。個々が独立してやっているとしても、外からは、「事務所の責任」を問うてくることになりかねない。その場合、他の所員も事務員も大変な思いをすることになる。あり得ない「監督責任」を事実上問われることにもなりかねない。
うちの事務所も、9名の弁護士がそれぞれバラバラに仕事をしている。経費分担(負担割合は人によるが)をしているのみであり、もちろん法人ではない。お互い、どのような依頼者がいてどんな内容の案件を扱っているかは具体的にはわからない。
しかし、もし仮に誰かが、事件を滞留させたり等して懲戒請求等を受けるなどした場合、他の弁護士が同請求を受けること(ないし、請求されても懲戒相当とされること)はないとしても、事実上非難を浴びる可能性はある。要するに、事務所自体の信用に関わると言うことである。
経費分担というスタイルは、相互に干渉し合わないという点でよいと思うのだが、相互に知らないが故、あるとき気づいたら大変なことになっていた、なんていうこともあるよう。冒頭の例はまさにそれであった。
相互信頼は当然のこととして、今一度足元を見直しながら、事務所経営もしてゆかないといけないのだろう。
独り言でした。
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