ソフト&メローとAOR

ボビー・コールドウェルが亡くなった。

トップ40ヒットは「風のシルエット」(what you won't do for love)くらいしかなく、

ほぼ一発屋の人だったように思うが、日本には最近までずいぶん何回も来ていたようである(見に行ったことはない)。

この人のこの曲あたりに代表されるサウンドが、70年代後半ころ日本で流行っていた。

当初「ソフト&メロー」という標語で紹介され、その後いつしか「アダルト・オリエンテッド・ロック」という言い方をされるようになっていた。

ミュージシャンで言うと、前記ボビーのほか、ボズ・スキャッグス、ディックセント・ニクラウス(この人はトップ40ヒットもない、日本でもほんと一発屋かな)のような人たち、曲で言うと、totoの「ジョージー・ポーギー」みたいな曲か。

何というか、おしゃれなバーでバーボン(いや、マティーニ?)をたしなみながら、みたいな感じか。要するに「大人のロック」という話だった。ボーカルスタイルとしては、若干ソウルフルという感じ(なので、イングランドダン&ジョンフォードコーリーとか、スティーブン・ビショップとかとはちょっと違う。ホール&オーツは若干かぶるところもあるが、こちらはもう少し幅があるか。)。

個人的にはあまり食指は伸びなかった。やはり当時中学生でロックの世界の荒波にもまれる航海に出始めたばかりで、こういうのを自分は必要としていなかったと言うこと。

ただ、そんなに嫌いだったわけでもなく、ボス・スキャッグス(もともとはスティーブ・ミラー・バンドのボーカルだったりする)でも「リド・シャッフル」とか「ミス・サン」とかいい曲はあったし、前記した「ジョージー・ポーギー」も良い曲である。少なくとも当時吹き荒れていたビージーズ旋風とか、ナイトフィーバー関係のディスコサウンド、また、ドナサマー(後に個人的に再評価したが)等よりかはずっとウエルカムであった。

最近の英米のヒットチャートとかを見ると、本当に目を(耳を)覆いたくなるような惨憺たる状況と言わざるを得ず、上記した人たちのいくぶん気取った、でも歌心のある歌の方が数十倍よかったよなあ、などと年寄りは考えるところである。




ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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