さよなら2人のリジェンド

ここ2,3日で、ロック・ポップス史に残る人物の訃報に相次いで触れることとなった。

1 スライ・ストーン

  ウッドストックフェスでのステージが印象的なスライ。

  ウッドストックフェスは、ステージには黒人ミュージシャンが次々に上がるが、客席は真っ白という、やはりこのころはそうだったのだな、と思わせるような光景が拡がっていた。

  そんな中で登場していた黒人ミュージシャンの中でも、ジミヘンとは違った意味で(本来のブラック・ミュージック色で)異彩を放っていたのがスライ。強力なサウンドに乗せて、「the motor,the motor,the motorcycle honda!」「i want to take you higher!」とシャウト。のちのジョージ・クリントン一派等のファンクミュージック、またプリンス登場のまさに先駆け的な存在であった。

  「thank you」「hot fun in the summertime」「everyday people」等の大ヒット曲の後で、70年(71年?)に出た「there's a riot goin' on」というアルバムが本当に白眉。血に染まった星条旗のジャケット。それまでの開放的・攻撃的なサウンドが、一挙に内省的なこもったようなものに変貌。「family affair」はこのアルバムの中では比較的明るめのNo.1ヒットだが、もう何百回聞いても良い。プリンスで言えば、「parade」あたりがこれにあたるのか?(このアルバムだと、特に「the ballad of drothy parker」はやはり何百回聞いてもすばらしい。さらにその前の傑作「around the world in a day」は、超大ヒットアルバム「purple rain」の次だったが、この落差にもリアルタイムで本当にやられた。)

  長く不調、そして体調不良でおり、結局本当の意味で復活はできなかったけれども、ロック史、ブラック・ミュージック史に絶対に刻印される人物。それにしても、よく80すぎまで生きてたな。


2 ブライアン・ウィルソン

 なんと・・。

 サーフィンボーイたちのバンドというイメージから、ビーチ・ボーイズを一気にロック史に残る存在へ高めた、功労者中の功労者。

 1966年の「pet sounds」からの数枚、「smily smile」「wild honey」と傑作を連発。このころのビーチ・ボーイズ(事実上ブライアン)は本当にすごい。「pet sounds」を聞いたビートルズ(主にポール?)が、これに触発されて「sgt,peppers・・」を出し、そのためビーチ・ボーイズが当時作成中であった「smile」の発表を見合わせた(他の事情もあったらしい。実際には数十年後に完成版が出た)、というエピソードは超有名。No.1ヒット「good vibration」はこれも何百回聞いても色あせない。

  数年前に、自作をピアノで演じ直した新作が出ており、それをどこかで耳にして気になり、ネットで購入しようとしたが、未だに全然手に入らない(在庫がないというばかり。発売というメールが来たんで申し込んだのだけど・・。そういうのが多いんだよね。マリアンヌ・フェイスフルとか、イアン・マシューズとか。自分で中古屋にでも行った方が早いのか?)。82才だったそうだが、まだまだ新作に期待ができる人であった。一度直接公演を見たかった。


それにしても、かつてのレジェンドがいなくなるばかりで、新しい方に魅力的な存在が出てこないのはどういうわけなのだろうか?2000年代初め頃までは良かったのだけれども、もう、本当にシーンは存在しなくなっているのか?

良いものをだれか教えて下さい。生活がどんどんつまらなくなる。

  

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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