先月、2週間にわたり、裁判員裁判事件の弁護を担当しました。被告人は、数件の性犯罪を起こしており、被害者の被害も重大で、重い量刑が予想されましたが、やはり予想通り重い判決でした。
このような事件に、どうして弁護人を付けるのか、というお考えの方も少なくないと思われます。
いろいろな意見があると思います。
そのような事件こそえん罪防止の必要性が高い、万が一無実の人が罰せられることを防がなければならない、
あるいは、どのような事件でも犯人とされる人間(被告人)に言い分があり、その言い分が反映される道筋をきちんと作った上で裁判がなされるべきである、等々。
また、(上記のうち後者に通じますが)「納得の上で刑を受けてもらう」というのもあるように思います。
十分な弁護活動を受けないで、不満を抱えたまま服役ということだと、その後の更生にも影響するように思います
(納得して服役したから必ずきちんと更生するかはもちろんわかりませんが)。
今回の件でも、被告人は長期の懲役刑にも拘わらず、控訴しませんでした。見通し等も私どもよりいろいろ伝え、控訴を勧めた部分もあったのですが、本人なりに考えた結果なのでしょう。それなりに、弁護活動の結果について納得してもらえたのかもしれない、等と思っております。
後日、担当裁判官と話す機会があったのですが、裁判員は、弁護人の主張の内容自体はきっちり理解してくれていたようです(あまりそれが反映された判決ではなかったですが)。裁判員裁判において、弁護人の意見が一番理解しにくいなどとよくいわれているようなので、この点は少しほっとした部分でした。
それにしても、裁判員裁判というのは、弁護士に取り、負担が大きいです。
検察官は、裁判員裁判に該当する事件を厳選してくる傾向があります。「一定の犯罪ならすべて対象になるのではないか。厳選などということはあり得ないのではないか。」と思われるかもしれません。しかし、実際に刑事弁護に携わっている弁護士なら皆感じていることですが、検察官は、例えば強盗致傷事件(裁判員裁判の対象です)のなかでも、より証明が確実そうなもの、あるいは生じた結果が重大なものに絞って、同罪名で起訴をし、少しでも危うい事件や、結果がそれほど重大ではない事件は、罪名を「窃盗+傷害」というように落として(これだと、裁判員裁判の対象ではありません)起訴してくるようです。
別の言い方をすれば、検察官は勝つ可能性が高い事件のみ裁判員裁判に乗せてくる、つまり、弁護人にとってはよりハードルが高い事件が裁判員裁判の対象となってくる、という面があるように思います。
刑事事件の弁護人というのは、とかく孤独感を感じることが少なくないのですが、裁判員裁判対象の事件では、その点がより強いように思います。そんな弁護人の感覚に、時々思い至ってもらえれば、などと思ったりもします。
このような事件に、どうして弁護人を付けるのか、というお考えの方も少なくないと思われます。
いろいろな意見があると思います。
そのような事件こそえん罪防止の必要性が高い、万が一無実の人が罰せられることを防がなければならない、
あるいは、どのような事件でも犯人とされる人間(被告人)に言い分があり、その言い分が反映される道筋をきちんと作った上で裁判がなされるべきである、等々。
また、(上記のうち後者に通じますが)「納得の上で刑を受けてもらう」というのもあるように思います。
十分な弁護活動を受けないで、不満を抱えたまま服役ということだと、その後の更生にも影響するように思います
(納得して服役したから必ずきちんと更生するかはもちろんわかりませんが)。
今回の件でも、被告人は長期の懲役刑にも拘わらず、控訴しませんでした。見通し等も私どもよりいろいろ伝え、控訴を勧めた部分もあったのですが、本人なりに考えた結果なのでしょう。それなりに、弁護活動の結果について納得してもらえたのかもしれない、等と思っております。
後日、担当裁判官と話す機会があったのですが、裁判員は、弁護人の主張の内容自体はきっちり理解してくれていたようです(あまりそれが反映された判決ではなかったですが)。裁判員裁判において、弁護人の意見が一番理解しにくいなどとよくいわれているようなので、この点は少しほっとした部分でした。
それにしても、裁判員裁判というのは、弁護士に取り、負担が大きいです。
検察官は、裁判員裁判に該当する事件を厳選してくる傾向があります。「一定の犯罪ならすべて対象になるのではないか。厳選などということはあり得ないのではないか。」と思われるかもしれません。しかし、実際に刑事弁護に携わっている弁護士なら皆感じていることですが、検察官は、例えば強盗致傷事件(裁判員裁判の対象です)のなかでも、より証明が確実そうなもの、あるいは生じた結果が重大なものに絞って、同罪名で起訴をし、少しでも危うい事件や、結果がそれほど重大ではない事件は、罪名を「窃盗+傷害」というように落として(これだと、裁判員裁判の対象ではありません)起訴してくるようです。
別の言い方をすれば、検察官は勝つ可能性が高い事件のみ裁判員裁判に乗せてくる、つまり、弁護人にとってはよりハードルが高い事件が裁判員裁判の対象となってくる、という面があるように思います。
刑事事件の弁護人というのは、とかく孤独感を感じることが少なくないのですが、裁判員裁判対象の事件では、その点がより強いように思います。そんな弁護人の感覚に、時々思い至ってもらえれば、などと思ったりもします。
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