洋楽ロック遍歴①(1976年)

1976年(昭和51年)当時、日本で売れていた洋楽ロック系グループとしては、ベイ・シティ・ローラーズ、クイーン、キッスの3つがとりあえず挙げられる(ヒットチャート的には)。

このうち、ベイ・シティの人気は大変なもので、コンサートの度に数十人の女性ファンが失神し(そういえば最近はこんなの聞かないな)、出す曲出す曲日本では大ヒットという状況であった。
今になって聞けば、ポップでまあ悪くない曲もあるといえばあるが、当時私はこのグループが嫌いでしょうがなかった。甘ったるいし、なによりも心にぐっとくるものが何もなかったのである。それなのにやけに人気があり、当時やはり聞き始めたビートルズにも人気投票で勝ったりしていて、何でこんなつまんない物がうれるんだと、本当に腹立たしい日々であった。

これに対し、クイーンは、個人的に最初に衝撃を受けた洋楽ロックバンドであった。白い衣装に身を包み、フレディマーキュリーを中心に、自己陶酔的・中性的なイメージで売っていた面もあったが、自分としてはそういうことよりも、何より曲に圧倒された。おおげさでクラシカルな感動的なメロディー、それにブライアンメイの独特のギターの音色、時にハードロック的なアプローチ、「ボヘミアン・ラプソディ」の組曲チックな作り、どれを取っても、小6のガキには新鮮であった。ヒットチャートで、いつもクイーンがベイ・シティの後塵を拝していたことに、忸怩たる思いであった。

その後クイーンは、どんどんアメリカナイズされて行き、個人的には興味が失せていった(おかげでオリジナルメンバーでの来日公演も永遠に見損なってしまった)が、この1976年ころは、英国的なクイーンのイメージがもっとも花開いていた時期であった。この頃のクイーンが一番というファンも少なくないであろう。

キッスは、これらに比べると、少し人気の点では落ちたが、それでもあのおどろおどろしい外見と、火を噴いたり血を吐いたりというゲテモノ的なステージ、反面明るくて素直なアメリカン(ちょっとハード)ロックで、やはり結構人気だったと思う。個人的には、キッスはちょっと軽くてひねりがなくつまんないな、という感があり、あまり食指が伸びなかった。むしろ、当時爆発的にアメリカで売れたライブアルバムを擁したピーター・フランプトン、アメリカのバンドにしては泥臭いハードロックをやっていたエアロスミス(その後息が長いが、やはりこの頃が一番良かった気がする)、それにのちの産業ロックの先駆け(当時は、アメリカンハードプログレッシブロックなどと呼ばれたこともあった)ともなってしまったであろうボストンなどのほうが好きであった。

それから、ヒットチャートものでは、ファンク系のワイルド・チェリー「プレイ・ザット・ファンキー・ミュージック」、k・c&サンシャインバンド「シェイク・ユア・ビューティ」とかもよかったなあ。今聞いてもいいわ。

ロック聴き始めの私は、こんな感じでした。なお、ビートルズも1976年(解散6年目だね)のころから結構聞いていたが、その話は、またそのうちぼちぼちと。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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