アーティスト探訪~ディヴィッド・ボウイその5だけど、米国大統領は・・

米国大統領に与太者トランプ氏が当選。

おそらく、この事実は、いずれにしても歴史上の1つの大きな出来事として刻まれるでしょう。
民主主義というものがどういうものなのか。
人間社会、人間それ自体、それがどういうものなのか。
今後、多くの人々が考えて行く材料になるはず。
かっこつけないで。
庶民(大衆)ぶらないで。
やはり、まもらなきゃいけない一線はあるわけだし。
結局、人間社会を破滅に導くのは、人間それ自体なんだろうし。

単純なスローガンで左右されるリアルな人間。
でも、そんなこといったって、目の前の状況をどうにかしてほしいと考えれば、
それはトランプでなければやってくれないよ、ヒラリーじゃダメだよ、と思う心理。
その先に未来があるのかどうかなんて考えてる場合じゃないって。
いまが問題なんだよ。
「問題は今日の雨。傘がない。」ということなんだよ。
「君に会いに行かなくちゃ」なんだよ。


たぶん、トランプは最初に、いくつか花火を打ち上げるでしょう。
それがなんなのか。
日本に関係することなのか。
日本の憲法を変える方向に行くことなのか。
日本人が、いよいよそのような議論をせざるを得ない状況に導くものなのか。
これは、何度か目の黒船の来航ということなのか。
外圧がないと動かない日本人、という話が、また1つ加わるのか。

いずれにしても、ブロック経済・保護主義(自分さえ良ければの政策)の行きすぎが
大戦を引き起こしたという歴史的事実はあるわけで。

それ(歴史)を無視していろいろ進めることはできないはずなんだよね絶対に。

わるいけど、踏ん張るよ。自分の持ち場で。持ち場の範囲でね。
それ以上のことはできないんで。
ボウイもそう思ってるだろうね。間違いなく。すこしは。
ボウイじゃなくたってそうでしょ。少し考えれば分かることだし。
たもがみとかルペンとかドゥテルテとかそういう与太者に、好きなようにはさせないよ。


そういうわけで。

「Let's dance」(1983)
これが出たとき、まずタイトルを聞いて、冗談ないし皮肉かと思った。
「おどろう」って、ボウイがそういうのは、なんか裏を抱きながら、
こんなかんじで、こんなんつくりましたって。
このていどのものは簡単にできちゃうんだよって。
そんな皮肉も含めたアルバムかと思ったのです。
プロデュースは今を、ではなく当時をときめく(ということばあるのか?)ナイル・ロジャース(chic)。
こんなの簡単にできちゃうんだよ、という感じでこちらが受け止めたこのアルバムは大ヒット。
ボウイは米国でもナンバーワンを獲得し、日本でもスターの仲間入り。
84年春には私も見に行ったのです。特段コアのファンではない人も含めいっしょに。
4人くらいだったか。バンドのサークルの奴とテニスサークルの奴と女の子もいっしょだったと思う。

このアルバム、改めて聞けば、もちろんよくできている。
水準を遥かに超えていて、
ヒットするのも当たり前と思うし、
いい曲もある。
ただ、これまでのボウイのファンからすれば、
まあ、こんなんつくったよ、このていどだったらできちゃうんだよ俺って、
という感じで受け止めたんだと思う。

これは一時の通過点ということだろうなと。

でも、
これはたんなる通過点ではなく、
このあたりを境に、
ボウイの長い混迷が始まってしまった、というのが、後付けの個人的な評価。

この次のアルバム「tonight」は、そこそこくらいのものだったが、その後は精彩を欠き、
いろいろと自分なりに試みはあったようで、
例えばジャングル・ビートを取り入れたり、
例えば「TIN MACHINE」なんていうバンドを作ってみたり
(なんとなく、野村義男&グッバイを思い出してしまった・・野村義男さんはいいギタリストとしてその後も活躍されていると思うんですが)
コンセプトアルバムを作ったり等したこともあったが、
申し訳ないけど、購入したけど聞き込むことはできなかった。
なんというか、ひっかかるところがなかったんだよね。

ベテランのバンドで、再結成したり等で、
アルバムを出したバンドが、90年代以降いくつもあった。
たとえば、テレビジョンのアルバムとかは、結構よかったし、
イーグルスも結構売れたらしい(個人的には聞いてないけど)。
フリートウッドマックとか。
いろいろごっちゃになりすぎだけど。

でも、やはりボウイはボウイであり、
一般的にそこそこの水準と言えるアルバムを出してもらっても、
それじゃ、ちょっと満足できなかったんだよね。
みんな。

それが、
2000年あたりから10年くらい、全く出さなくなり、
その間に心臓のバイパス手術をしたなんていう話があったりして、
もう新作はないと思っていたところに、
2013年に「the next day」というアルバムを突然出した。
先行シングルが、なんとなく黄昏れた感じだったので、
まあ、こんなかんじなんだろうな、出してくれるだけで嬉しい、とか思っていたら、
発表されたアルバムでは結構元気で、
これはまだいけるのかな、などと期待を持たせてくれた。
とりわけ、ボーナストラックが良かったりしたのは、若干複雑だったが。

そして、今年2016年1月、出てきた「BLACK STAR」。
正直、このアルバムはとてもよかった。
まあ、この程度なのかな、という水準を大きく越えていたと思う。
個人的には。
ここ20年のボウイのアルバムの中で、
桁外れに何度も聞いたし、
また聞きたいアルバム。
こういうのはほんと久しぶり。

何が良かったのか。
よく分からないというのがホンネ。
若手のジャズミュージシャンを多く使い、
タイトな演奏で、
以前から取り入れていたジャングル・ビートも、
さりげなく消化されている感じでほんとかっこいい。
前作に若干見られた、「年だなあ」と感じさせるような重ったるさがあまりなくて、
純粋に、いいアルバムだと思える作りになっている。
全体で7,8曲程度のボリュームも良い。

この評価は、アルバム発売の3日後に、ボウイが死去したという事実によって、そうなったわけではない。
直後に死去しようが、ダメなアルバムはダメだし、イマイチのアルバムはイマイチなのである。
このアルバムは、イマイチではない。ボウイが死んだから、その点を加味してよいのではない。
純粋によいと思う。
かつてのボウイのアルバムの系譜の中にも並べることができると思う。

よかった。
最後にこんなアルバムを出してくれて。
あなたは天才だ。

与太者が米国大統領になったことを知らずに、あなたは天に召された。
別に与太者の大統領就任が人類破滅につながるわけではない。
私たちは、今後を見届けますよ。
歴史となる、この行く末を。



ボウイは政治的なことにはあまり興味なかったと思うけどね。
はは。
それにしても、こんなにちまたで話題になった米国大統領選挙もなかったなあ。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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