80’s こんなのもいた(2)

2017年に入った。

年末年始は、日数からすればほんのつかの間の休止。
それでも、ちょっとゆっくり出来るのではないか、などと期待を持ったりする。

しかし、実際には気づくと、もう1/7もおわり。
ことしも猛スピードで一年が過ぎて行くのだろうか。

来年の今頃、
何か自分の中で、前に進んだものが得られているだろうか。

こんなことを、
もう何年も、何十年も前から、毎年毎年感じながら過ごしている。
こんな感じで、一生は終わるのかも。

そういうわけで、
30年さかのぼっても、1987年、という年になった。
つまり、大学もほぼ卒業のころ、そこから30年と言うこと。
そのころ生まれた人は、もう30才と言うことだ。
30才と言えば、ふつうはおっさん・おばさん、だろう。

それよりも前の音楽について。

・ティアーズ・フォー・フィアーズ
81年に「hurting」というアルバムで、傷つきやすい少年の心理を歌って登場(そういう風に言われていたと思う。よく歌詞を吟味してない。)。ローランド・オーザバルとカート・スミスの2人組。曲調はまあ、エレクトロ・ポップ調の若干叙情的なサウンドという感じ。本国イギリスを中心にヒット。それが、85年に出した「songs from a big chair」では、大幅にパワーアップ。「shout」「everybody wants to rule the world」という、全米でも大ヒットしたシングル曲も擁したアルバムで大ブレイク。その後87年には、3枚目のアルバム(タイトルど忘れ)から、「sign of the seeds of love」という、ビートルズのサイケデリック時代をまとめ上げたような曲が大ヒット。その後もローランドのほぼソロプロジェクトとして活動を継続しているらしい。
私はこのうち、セカンドアルバムが大変好きで、個人的には80年代に出たロックアルバムの中で3本の指に入る傑作だと思っている。サウンド的には前作のエレクトロ・ポップ/打ち込みサウンドを引きついでおり、かつヒットシングルを何枚も含んでいるが、そういった曲も1つの構成要素として昇華し、アルバムトータルとしてすばらしい出来になっている。ビッグヒット曲にはさまれた「the working hour」それに、robert wyattに捧げたという「i believe」さらにヒットシングル「head over heels」に、「listen」まで、すて曲がないのはもちろんのこと、起承転結のある構成もすばらしい。ビートルズで言えば「サージェント・ペッパー」を思わせる出来である(「broken」という曲のリプライズを入れているところなど、恐らく意識していたのではないか。)。打ち込み云々ではなく、肉体性・歌心も感じる(ビデオクリップの熱唱が印象的・・熱唱ものは基本的に嫌いなのだが、これはよい)このアルバムだけでも永遠にロック史に名を留めるだろうと思う。

・ディペッシュ・モード
81年ころデビュー。当初はヴィンス・クラークを擁し、アイドル的なエレクトロ・ポップを標榜していた。これはこれで良かったのだが、ヴィンス脱退後の83年ころ出た「construction time again」あたりから、硬派のエレクトロニックサウンド、ドイツのDAFとか、アインシュテルツェンデ・ノイバウテンあたりも背景にあるのではと思わせるサウンドに深化。「everything count」「somebody」「brasfamos rumours」(綴り自信ない)等々、いい曲を連発。特に「people are people」のような無機的な曲(ヴィデオクリップもなんとも硬派な印象深いものだった)が、アメリカでベストテンに入りそうなところまで上がったのはびっくりであった。未だに活動してるのではないかと思うが、アルバムを購入したことはないものの、結構いつも注目していたバンド。
なお、80年代にアメリカでシングル大ヒットをうって驚いたイギリスのバンドとしては、他にcureの「love song」、それから往年のバウハウスのピーター・マーフィー以外のメンバーで結成されたlove&rocketsの「なんとか(忘れた)」という曲があったなあ。あれは何だったんだろう。

・スタイル・カウンシル
前にも書いてると思うが、言わずと知れたJamのポール・ウェラーが、元デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズのミック・タルボットと組んで作ったバンド。ジャムの最後期が結構モータウンサウンド的だったので、スタカンもその延長線上でしっくりいったのだが、何と言っても83年の12インチシングル「a paris」と、翌84年のファースト・アルバムにとどめを刺そう。これらのアルバムは、本当舐めるように何十回も聞いた。タルボットのハモンドオルガンが随所で印象的。アメリカでは「マイ・エバー・チェンジング・ムーズ」がスマッシュヒットとなった程度だが、結構日本でも受けてしまい、この次のアルバム「アワ・フェイボリット・ショップ」、それにその次の「the cost of loving」と、どんどんおしゃれ・ゴージャス路線に突き進み、カフェ・バーあたりでかかる曲みたいな感じでもてはやされてしまっていた。実は曲は大変政治的だったりして(例えば,フジテレビの「特ダネ!」でもオープニングでかかっていた「shout to the top」とか)いたのだが、アルバムが出るたびにサウンドは落ち着いてゆき、個人的にはもう結構、という感じだった。本人(ポール)ももう結構、と思ったのか、その後は硬派ロックの路線に回帰し、一時はイギリスの大手レーベルから契約を切られたりもしつつ(実はなんと日本でだけ発売、というような時期もあった)、その後復活、今では英国ロックのまさに大御所のような存在である。スタカンの80年代中期は、個人的にも本当に思い出深い。

・デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ
上記のミック・タルボットもいたグループ。ケルト・ミュージックと黒人音楽の融合、といったところか、80年に出たデビュー曲「zeno」は個人的には本当に衝撃的だった。その後、セカンドアルバムから「カモン・アイリーン」という、米英ともにナンバーワンヒットとなった曲もあった。比較的素朴なソウル・ミュージックといった感じ。「ジャッキー・ウイルソン・セッド」なんていうトリビュートソングもなかなか良かったな。

・ABC
やけに背のでかいボーカルを擁したバンド。これもスパンダー・バレーと同じく、この頃いくつもあったロキシー・ミュージックを標榜したバンドだったと思うが、個人的にはスモーキー・ロビンソンへのオマージュを歌ったと思われる「when smokie sings」という曲が好きであった(smokie robinson &miraclesの「tears of a crown」を下敷きにした曲)。それからこのバンドの初期のヒット「the look of love」は、あきらかにその翌年か翌々年あたりに出たマドンナの「holiday」の下敷きなんだけど、そうだよね?誰もあんまり言わないけど。

・howard jones
エレクトロ・ポップをベースにしたポップソングシンガー。日本では結構人気があった。個人的には、まあ改めて聞いてみようという感じはあまりないかな。

・nik kershew
これはあまり覚えられていないと思うが、イギリスで専ら売れていた。シングルヒットは当時のはやりの感じだが、アルバムで聞くと結構複雑な音をやっていて、個人的には興味深かった。来日したときも見に行ったな。でも、改めて聞く気はそれほどはないか。

・cocteau twins
打ち込みサウンドをベースにしていたが、「echoes in the shallow bay」なんていうタイトルのアルバムもあったように、エコーをかけまくった耽美的なサウンド。エリザベスの独特の歌声、内容不明の歌詞、ディストーションのかかったギター、実は後世に結構影響を残したバンドではないかと思う。アメリカではおよそ売れそうにない、きわめてイギリス的なサウンド。レーベルも4ADという、当時一世を風靡したインディーズレーベル。「トレジャー」「ヴィクトリアランド」「aikea-gunea」「ブルー・ベル・ノール」等々、何枚もアルバムを出しており、「ベアトリックス」「ベッセフォーニ」等々の曲を出しているが、非常に印象的な、まさに80年代がもっていたパンク・ニューウエーブ以降の多彩性を担っていたバンドの1つだと思う。先日、中心メンバーのロビンが来日していたようだが、ちょっと行きそびれた。my bloody valentineやride、all about eve、lush、pale saintsあたりに多大な影響を残している。このバンドがいた時代に聞きまくれたのは本当に幸せだった。
そういえば、当時はこのバンドもそうだけど、スタカンとかスミスとか、皆30㎝シングルをよく出していて、そこにしか入ってない曲があったりして、それがまた結構良かったりしたんだなこれが。ジャケットもセンスがあったし。財布はもたないけど。

・monocrome set
インド系のビドを中心とした、これも独特のひねくれたポップサウンドを信条とするバンド。81年ころから活動。ビッグ・ヒットはなかったけれど、「strange boutique」「westminster affair」とかいいアルバムをいくつか残している。私はこのバンドがとても好きで、昔一人暮らし時代に留守電の待ち受け音楽にしていたほどである。

まだまだ触れてないバンドはたくさんあるなあ。
アメリカでも、まだまだ。
レゲエ・スカ系でも、まだまだ。

そう言えば全く関係ないが、年末は紅白歌合戦をパフュームとかイエモンのところだけ見たが、その間になんだか「歌の力が新ゴジラをやっつける」などという、見ていてこっちが穴があったら入りたくなるような恥ずかしい企画をやっていたな。あれはいったい何だったのか。やろうと思いついたスタッフは「すごい企画を考えついた」とでも思ってたのか?それとも、籾井会長の置き土産か?まあ、全部見るのは時間の無駄だと改めて思ったな。




ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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