今年もこれを聞く季節

大学1年の夏は、出身高校の体育会的な臨海学校応援合宿に、3週間近く出向いていたりしたけれども、
浮いた話も全然全然なくて、
あとは、当時入っていた音楽サークルの合宿ぐらいしか、話題はなかった。

山中湖(だったよな。河口湖だったか?)。
この年、大雨とかによるのではない異常増水で、湖があふれ、湖畔の宿や施設が皆浸水したり、橋やボート施設が水没したり等していた。あの年の前も、またその後もずっと、こんなことはなかったと思う。あれは何だったのか?

当時所属していたのは、ニューウェーブ系のサークル。
自分は法学部だったのだけれど、文学部の学生が中心のサークル。
いっしょのバンドには、政経とか理工とか商学部とか、いろんな連中がいたけど、
「先輩」にあたる面々が、前記した臨海学校応援合宿での、体育会的な先輩と、
良くも悪くも全く対照的で、いろんな意味で面白く、また考えさせられた。
「ロックな人々って、こういう人なんだな結局は・・」てな感じに。
まあ、しょうがないわな。自分もいっしょだし。

バンドの練習の時以外は、男女混合で常に寝ている感じで、ほんとに漂っていた大1時代を象徴するような合宿だった。
あれから30年以上経った。みんなどうしてるんだろう。上の人には死んじゃった人もいるかな。
自分も死んじゃいそうになったけれども(まだそうではないか)。

というわけで、
この合宿のあった年あたり(前年か)に出た、
everything but the girlの「eden」、tracy thorneの「a distant shore」、
そしてben wattのnorth marine drive」(来日公演よかった)

この3枚のアルバムは、夏になると必ず一度は通しで聞きたくなる。

パンク~ニュー・ウエーブの喧噪を越え、
そこから出てきた、これらのサウンド。
当時、インディーズ系などと言われていたレーベルの1つである「cherry red」レーベルから出ていた、
これらのミュージシャンのアルバム。

ボサノバ等をベースにした、でも間違いなく前記の喧噪を通り過ぎてきている、
これらの音。

当時の、大学に入ったものの、なにを礎にすることも出来ない、漂っていた自身の心象風景のバックに流れていた
これらの音。

パンクでも、ハードロックでも、プログレでももちろんない。
ジャンル分けするなら、ボサノバとかなのかもしれない
(velet undergroundとかのカバーもあったわけだけど、コール・ポーターのカバーもあったわけで。)。
それまで、ほとんど接点のなかったサウンド(スタカンとかもそうだったけど)。
しかし、すんなりと入って行き、入って行け、そして、30余年経っても、毎年夏になると聴きたくなるサウンド。

これこそ、マイ・エバーグリーン・ミュージック  てなことだろうか。
なにをしたわけでもなく、
いや、なにもしていなかった、まさに漂っていた時代。あの頃。
そのころのBGMである。

それがなぜか、35年も経っても、毎年聞きたくなるんだな。

この年のみのつきあいで終わった、あのバンドの連中は、みんなどうしてるんだろうか。




ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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