得意じゃない曲、嫌いなミュージシャン(2)

・ラテン・ロック

サンタナの、ウッドストックでのパフォーマンスは、ほんと圧巻の一言であった。
「顔でギターを弾くギタリスト」というのがかつて結構いたが、サンタナもその1人かな、と思う。
一つ一つのフレーズを、顔をしかめながら(もったいぶって?)演奏する。
それから、サウンドのグルーブを作り出すパーカッションの面々と、ドラマーのマイク・シュリーブがとても印象深い。

入院中に見た70年代初期のビデオでは、サンタナのグループにニール・ショーンとグレッグ・ローリーがいて
(これがまた、ジャーニーの主要メンバーなんだな)、とてもテンションの高い演奏を聴かせてくれている。

与太者が壁を作ると言い出すくらいに、メキシコからのアメリカへの移民が増えたおかげで、今世紀に入り、
ルーツをメキシコに持つサンタナの人気は、アメリカで再燃している。

そんなわけだけれども、私はどうも、この「ラテン・ロック」というのがピンと来ない。
何で何だか分からない。肌触りなんだろうな。
演奏のテンションの高さとかはよく分かるんだけど、根本的にラテン的なサウンドに食指が伸びないみたい。

ボサノバは、結構好きな感じなんだけど、ラテンロックの他、サルサ、タンゴ、ルンバ、マンボ等々、あんまり突っ込んで聞きたいと思わないんだな。
故中村とうよう氏らも含め、「ワールド・ミュージック」なんていう括りで、結構もてはやされた時期もあったんだけれども(まあ、とうよう氏はもてはやすつもりでもなかったのかもしれないけど)、ラテンサウンドへのこういった感覚があったので、そちらへはあまり行きませんでした(それだったら、ガムランとか、ブルガリアン・ヴォイスとかのほうがいいかな)。


・ボブ・ディラン

嫌いなわけでは全然ない。
初期のころを中心に、たとえば「bringing it all back home」とか、「hiway 61 divisited」なんていういいアルバムがたくさんある。
アルバムも5,6枚持ってるし。
あの、paul butterfield blues bandを従えてのエレクトリック・サウンド・ライブで、「juda!」という野次が飛んだのに対し、轟音で演奏を開始したところなんて、ほんといいな、と思うんだけど(ピート・シガーは、苦々しく思ったのかも知れない・・いや、そうでもないんだったか?)。

前にも書いたけど、結局のところ、ディランの場合は、歌詞をきちんと理解してないと、ファンだと名乗ってはいけないんだろうという感覚があるんだな。
とりわけ、ザ・バンドの「music from big pink」がピンとこないという音楽音痴の自分なので、よけいにディランがどうのこうのとか言っちゃいけないんだとおもったりするんだな。
だから、来日公演があるとか言っても、「自分が行っちゃいけない。もっと行く資格のある人がたくさんいるはずだ」などと思って、(値段のこともあるけれど)手を引いてしまうんだよな。

・ヘビー・メタル
個人的には、ツェッペリンは本当にとても好きだし、パープルもいい曲はたくさんあると思うし、ブラック・サバスもいい曲があると思うんだけど、
「ヘビー・メタル」は、ほんと食指が伸びなかった。

ワンパターンというのも、いろいろあるんだけれども、
ヘビー・メタルの真骨頂は、まさに「様式美」。
ツェッペリンやパープルのコアな部分をとってきて、
それをボーカルががなり立て(と言うか、歌い上げ・・イアン・ギランやロバート・プラントの悪い影響。
オジー・オズボーンの影響だったらよかったんだけど。)、
情緒的なサウンドとギターフレーズ・ギターソロで組み立てる。
ファッションは、ロンドンブーツとか、ごつごつした革のブレスレット(?)等。
ジューダス・プリーストとか、アイアン・メイデン等が典型的なんだと思うけど。

ファンは昔から多かったと思うけど。
そして、きっと好きでもない人からすれば、ハードロックやツェッペリンとの区別も付かないんだろうけど。
私は、一貫して食指が伸びないな。
別の世界という感じがする。
いくらギターがうまくても、何もピンと来ないんだよね。

ただ、モーターヘッドはよかったなあ。

分からない人には、ヘビー・メタルと、ガンズ&ローゼズと、
グランジの区別もわからないんだろうけど。


・ヒップホップ

これはもう、感覚的について行けない、ということなのかもしれない。

個人的には、ヒップホップではないけど、ラップについては、初期のグランドマスター・フラッシュのころから、流れはつかんでいたし、ブロンディの「ラプチャー」とか、結構よかったし、
また、「ミクスチャー・ロック」とかいって、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが登場したころは、結構フォローしてたし(だんだん、穏健中道路線になったな)、ベックも、ヒップホップ的な部分も含んだサウンドで、ずっとフォローしてるんだけど。

何か、今世紀に入る前のあたりから、みんなヒップホップ的なものばかりになってしまい
(かつて、「みんなロックになってしまったなあ」という時代があったんだろうけど)、
ある意味、ロックからトレンドを引きつぐくらいのものになってしまった、それほどの浸透力があるものとなったのだと思うけれども、
純粋に、「サウンド」が、「メロディー」が失われた、と感じざるを得ない。

なんか、みんなおんなじ感じだし。

それも、ストーンズがワンパターンだというのとは全然違う、心に、肉体にグッとくるような感覚がないんだよね。

いいものもあることは否定しないけど、
ミクスチャー・ロックでも、最近ボーカルが自殺してしまったリンキン・パークなど、
改めて聞いても、やはり「ちがうなあ・・」と思ってしまう。

もう、こちらが年を取った、と言うか、
トレンドが変わってしまった、と言うことに尽きるのかも知れないけど。

日本では、ヒップホップはとても浸透したようだね。
でも、なんか独自性がなくて、猿まねと思えてしまうのは、
日本人にありがちな欧米コンプレックスの現れ?
・・それはないとおもうんだけど。
 日本のロック等でもいいものはいいと認められるし。
 ゆらゆら帝国とか、フジファブリックとか、スピッツとか、
ゲスの極み乙女(その後どうしたかな)とかねえ。
これらみんな、ヒップホップとは関係なさそうだし。

ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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