ウッドストック50周年

もう9月も中旬となってしまい、ちょっと時季外れだけれども、標記のことなのです今年は。

このウッドストックロックフェスティバルの映画を初めて見たのは、中2だった1978年。実際にフェスが行われてから9年が経過した頃。

当時の若者たちの奔放な行動にも圧倒されたが、やはり何よりも、そこに登場するミュージシャンの演奏の熱さに深く感動させられた。

CSN&Yの「long time gone」でイントロからいきなりやられた。このグループはこのフェスがお披露目かその次くらいだったと思うが、この映画を見た頃にヒットしていたAOR的な曲とは全然違い、やはり当時の時代の先端を行っていたスーパーグループということで、とてもインパクトが強かった。

そして、第1演者のリッチー・ヘブンス。この人はどうも、本来はオープニングアクトではなかったらしいのだが、渋滞等でミュージシャンが到着できず、急遽登場となったらしい。大観衆を前にアコギ一本で歌いまくり(ネックを親指で上から熱く押さえる独特のピッキング)、あの有名な「freedom」という曲は、なんと即興でその場で作ったものだったらしい。この人はこのステージだけでも歴史に残った、といっていいと思う。

それから、デブのボブ・ハイトがダミ声で、そしてギタリストのアラン・ウィルソンが時に気の抜けたような声で歌うキャンド・ヒート。アメリカのブルースロックバンドだが、個人的にはとても好きで、アルバムを何枚か持っている。映画で流れる力の抜けた感じの「going up the country」は本当によくて、流れてくると心が和む。

ジョーン・バエズとか、カントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュ、ジョー・コッカー(個人的には苦手)等々、熱演が多いし、この映画でのザ・フーとジミヘンのステージは、まだロック1年生を終える程度であった私にとっては、大変な衝撃であった。さらに、個人的にうあっと思ったのは、サンタナ。当時は「哀愁のヨーロッパ」「シーズ・ナット・ゼア(ゾンビーズのカバー)くらいしか聞いたことがなかったのだが、デビュー当時だったというこのステージはえらく熱を帯びていた。サンタナ本人の荒々しい風貌もあったが、ドラムスのマイク・シュリーブの熱演がとても印象に残っている。

実はこのフェスには,他にもジャニス・ジョプリン、ジェファーソン・エアプレーン、グレイトフル・デッド、クイックシルバー・メッセンジャー・サービス等々そうそうたるメンバーが出演していたのだが、皆映画には登場してこない。今から考えると、三日もやって大変だっただろうな、途中雷雨も来たし、だから最後のジミヘンの時はお客さんがほとんどいなかったんだな、などといろいろわかることもあるが、当時のカウンター・カルチャー、またロックムーブメントの頂点を間違いなく極めた瞬間であったことは間違いないであろう。

ある意味、ロック・カルチャーは、この50年前の時点で極めた頂点を、その後超えることは出来なかったのかもしれない。少なくとも、カルチャーや思想的な部分においては(もちろん、その後の70年代~90年代にかけての様々なジャンルの登場には、これまで散々書いてきたように、特筆すべき部分は無数にあるわけだが。)。


ああ、こんなことを書いてる場合ではない。仕事をしないと・・。


ろっくおじさんの戯言

ビートルズが全米制覇をした年に生まれた男(いちおうべんごし)が、音楽ネタや日々の雑感を綴る。仕事には役に立たないブログ。

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