往年のロンドン・パンクの老舗バンド、stranglers。
以前にも書いたが、私はこのバンドが中学時代以来大変好きである。
このバンドのポイントは、リードを取らんとするくらいの図太いベースと、ドアーズを思わせるキーボード。ドアーズにベースが入ってパワーアップしたよう、と昔から言われていたバンド。
他のパンクバンドと一線を画すような攻撃性、音楽性、また耽美性も兼ね備え、本国イギリスはもとより、日本でも(おそらく)ハードロックファン等も引き込み、70年代後半から80年代初頭にかけては相当な人気を誇った。
27年ぶりの来日というので、正直そんなに期待していなかった。けっこうおぢいさんになってしまっていて、レイドバックした感じでやられたら残念だけどなあ、、ドラムのジェット・ブラックは当時ももうおっさんだったから、どんな老人になってるんだろうなあ、などと思いつつ会場へ。
いつもの立ち見だが、整理番号がそこそこ前で、前から4列目くらいで見ることができた(言うまでもなく、立ち見は席がないから、前に行きたければいける。前に言って混乱に巻き込まれるのがいやなら後の方にいる。私は前に行った。)。真ん中あたりには巨体の白人が何名もいたので、そこは避けてやや右の方に陣取る。これでもステージが高いから十分に見ることができる。
セットリストをあとで記そうと思うが、一言で言って、本当に予想に反し、とても素晴らしいライブだった。演奏には正直荒さもあったが、ライブハウスならではの臨場感を目前で感じることができた。
ジャン・ジャック・バーネルがとても元気で(空手7段なんだと!)、野太いベースがうなりまくり、それだけでも本当にうれしかった。ギターは当然ヒュー・コーンウェルではなかった(90年頃脱退)が、キレキレの演奏をしていて好感が持てた。ドラムは老人ではなく(笑)、若いメンバーがさすがに入っていた。オルガン・キーボードのデイブ・グリーンフィールドは、すっかり好々爺、というか、あやしい魔術師のような風情になっていて、こちらは昔のようなサイケで性急感のあるサウンドと言うよりも、なんか演奏がもつれまくっていた印象があったのだが、よく見ると右手のみで演奏(かつてもそうだったっけ?)。左手が不自由なわけでもなさそうで、演奏中にも左手でビールを飲みながら、右手だけでギター・ベースの速い演奏になんとかもつれながら絡みついていた。
曲は大半が知っている曲。まず冒頭で、あの大ガラスの立体ジャケットでおなじみだったアルバムのタイトル曲「raven」をやってくれたのには感動した(実は一曲目はそれではないかと、少し予想かつ期待していたのだ。)。そして、やはりあの超名盤「black&white」からの数曲(このアルバムは本当に秀逸。今でも時たま聞くと本当に胸が高まり、勝手に体が動く。)や、「go buddy go」「walk on by」(ディオンヌ・ワーウイックの秀逸なカバー)「get a gip」等のヒット曲がもちろん光っていたが、あまり知らない曲も強力なベースが入ってとてもよかった。「golden blown」「always the sun」等の比較的静かな、あるいはしっとりした曲もOK。本割を「black・・」の冒頭の「tank」で締め、アンコールは「go buddy go」そして「no more heroes」。1時間半超くらいだったが、間延びすることの全くない、現役感満載のよいライブだった。
それにしても、「10」というアルバムが出てからの活動をよく知らなかったのだが、その後にも何枚もアルバムを出していたとは・・。
会場を出て、100メートルくらい来たところで、外国人がビラをまいていて、「ヒュー・コーンウェル」と・・。なんと、2月にソロで来日するらしい。こちらも見に行きたくなったりして。最近の活動はよく知らないんだけど・・。
自分が聴いてきたロックの一つの原点(原典)を示してくれたような、よいライブであった。
あとでセットリストを加筆する。
〈セットリスト〉
raven
(不明曲)
get a grip on yourself
(不明曲)
nice'n sleezy
(不明曲)
5 minutes
(不明曲)
golden brown
allways the sun
neuclear divices
death and night and black(yukio)
toiler on the sea
(不明曲)
walk on by
something better change
(不明曲)
hanging around
tank
〈以下アンコール〉
go buddy go
no more heroes
〈照明がついてからのBGMは〉
meninblack・・なんと。
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