中2の頃、クラスで何人かが、キング・クリムゾンにはまっていた。
以前書いたことがあるが、当時のクラスメイトであった「うえちゃん」の家にみんなで遊びに行き、キング・クリムゾンのなんだか音の悪い海賊版ライブを皆で聴いて、これはすごい、と言い合っていた。
曲は、「21世紀の精神異常者」。
例の有名なジャケットの、「クリムゾン・キングの宮殿」(IN THE COURT OF CRIMSON KING」の1曲目。
友人のたにちゃんなどは、ホントにはまってしまい、それからすべてのアルバムを聴きまくったと思う。それから及川(和義)とか、佐々木君とか、なんだか懐かしい。
このアルバムこそは、プログレッシブ・ロックというものの本質、そしてロックの奥深さを、本当に心底から感じさせてくれる、衝撃のアルバムだったと思う。
全5曲、捨て曲がない。1曲目の「精神異常者」の、ジャズ的要素も満載な馬鹿テクでの演奏。2曲目、混沌の中から一転、晴れ間が指したような静寂を表す感の「I TALK TO THE WIND(風に語りて)」、そして静寂からドーンとスケールの大きな「EPITAPH」(「混沌こそ我が墓碑銘」という有名な象徴的な歌詞がある)、B面にいって、美しいイントロから入り、途中から混沌とした演奏に変わる「MOON CHILD」、そして、ラスト(大団円!)の「IN THE COURT OF CRIMSON KING」・・まあ、この内容なら、あの「ABBEY ROAD」を抜いて全英ナンバーワン、という都市伝説も頷ける。
学者風の中心メンバー、ロバート・フリップ、マルチプレイヤーのイアン・マクドナルド(のちにフォリナー結成)、ボーカリストとしてまさにクリムゾンサウンドのポイントであったグレッグ・レイク(のちにELP結成)、とても細かな、そして乾いたドラミングで、これぞプログレのドラマー、と個人的に好んでいるマイケル・ジャイルズ(のちにマクドナルド&ジャイルズ・・これもいいアルバム出している・・イアンマクドナルドと組んだ)、そしてさらに、(これもほんと、プログレらしいが)作詞専門メンバーのピート・シンフィールドの5人編成。このバンドこそ、プログレにまつわる様々な伝説や言説がさまざまに生じてくるまさに大元にいたバンド、ということができると思う。
もっとも、正直、クリムゾンについては、はまった人ほどにははまらなかった。なんというか、(ジャズに対して思うのと一緒で)はまると戻ってこられない感じがしたのである。このアルバムも何度も聞き通しているが、あまり病的に聞き続けないようにしている(まあ、一部ちょっと曲が長くてしんどい部分もないことはないのだが。)。
このバンド、日本では本当に人気が高くて、今でも多分、プログレファンの多くがクリムゾンファンであろうと思っている。ファン層の世代はずいぶん上がってきただろうが。次回以降、2枚目からのアルバムに知る限りで触れてゆきたい。
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